Google I/O 2018で気になるPWAの動向

UI開発者 泉口

今年も5月8日から10日にかけてGoogle I/O 2018が開催されました。
GmailにおけるAI「Smart Compose」による入力予測や、ユーザーの代わりに電話予約をするGoogleアシスタントなど、AI界隈がますます盛り上がっている中、PWA、AMP関連のセッション内容では過去のような「概要の紹介」よりも具体的な構築方法などにフォーカスが当てられていました。

今回はGoogle I/O 2018からPWAに関する内容をピックアップしていきたいと思います。

Build e-commerce sites for the modern web with AMP, PWA, and moreと、Beyond single-page apps: alternative architectures for your PWAでは、eコマースとシングルページアプリケーションにおけるPWAの構築方法を具体的に説明しています。

ET mobile site showcased at the Google I/O 2018 session on Progressive Web Appsでは、PWAは普遍的なビジネスであり、用例としては「昨年PWAに対応したInstagramでは保持率が2倍にアップ」「スターバックスでは日毎/月毎でアクティブユーザーが2倍」になるなど目覚ましい成果を上げている内容を紹介していました。
PWA Statsでも解る通り、日を追うごとにPWAはモバイルに浸透しその成果を伸ばしていますが、このセッションの中で「PWAはモバイルだけでなくデスクトップにも影響している」との発言がありました。

PWAs: building bridges to mobile, desktop, and nativeでは、デスクトップにおけるPWAの可能性を明示しています。
各ブラウザへプッシュ通知やCredential Management API、Payment Request APIなど前衛的な機能の実装が進んでいることに加え、スマートフォンからスターバックスのPWAを用いて実際に注文を行うまでの工程をデモンストレーションし、デスクトップアプリでも同様にPWAを用いての注文が可能であることを示しました。

更にデスクトップユーザーもまだ増えていることをグラフで示し、デスクトップ上のPWAの必要性、MicrosoftのアプリストアからすでにPWAがインストールできること、6月初旬予定のChromeOS、今年後半にはWindows、macOSにおいてGoogle ChromeがPWAをインストールできる機能を提供すると述べました。

例えばYouTubeやTwitter、Amazonなど日常的に使われるサイトがデスクトップにあり、それらがワンクリックで起動しスタンドアロンで専用のアプリのように振る舞い、しかもそのアプリのインストール方法はexeファイルやdmgファイルのようなダウンロードするファイル形式ではなく、ただブラウザ上でボタンを押すだけです。

ストアなどを経由せず簡単に入手できて、様々なサービスを受けられるようになる、この提供が始まると将来的には「デスクトップからブラウザを開いてWebサイトを閲覧する」と言う概念が薄くなり「デスクトップからアプリを起動する」概念に変わる可能性があるのではないかと個人的に考えます。