Google Chrome 74が安定版に

エグゼクティブ・フェロー 木達

検品に用いている主要ブラウザのアップデートについてお知らせします。

Google Chrome 74が安定版になり、デスクトップ版Chromeでバージョン74.0.3729.108がリリースされました(リリースノート:Chrome Releases: Stable Channel Update for Desktop)。

このアップデートには数多くの修正(セキュリティに関する修正については39件)と改良が含まれています。新たに追加された機能についてはNew in Chrome 74に要点がまとめられています。また、DevToolsの変更点はWhat's New In DevTools (Chrome 74)にまとめられています。

今回のアップデートで興味深いのは、prefers-reduced-motionメディアクエリのサポート。これまでメジャーなブラウザですとデスクトップ版Safari、モバイル版Safari、そしてFirefoxがサポートしていたのですが、ついに......という感じです。手っ取り早くその動作を確認するなら、Demo: prefers-reduced-motion media queryをChrome 74で開いて、OS側の設定を変更してみると良いでしょう。macOSであればシステム環境設定→アクセシビリティ→ディスプレイに、iOSですと設定→一般→アクセシビリティに「視差効果を減らす」というスイッチがあり、これを有効にすると先述のデモページ上でアニメーションが止まるのがわかります。一層、アクセシビリティへの配慮やユーザーニーズに寄り添ったデザイン提供が可能になるでしょう。

また開発ツールについては、マージンやパディングなどについて、プロパティにマウスポインタをホバーさせることでその影響箇所すべてが色付きでハイライト表示されるようになったのが地味に便利かもしれない、と感じています。同梱のLighthouseもバージョンアップ、タップターゲットのサイズについてチェックできるようになったのは、アクセシビリティ視点ではありがたいですね(項目は「SEO」カテゴリの中にあるのですが)。このチェックの詳細はnew_audit(tap-targets): check that tap targets are big enough and don't overlap by kdzwinel · Pull Request #5846 · GoogleChrome/lighthouseで確認できますが、指の大きさを48×48pxと定義しており、WCAG 2.1で追加された達成基準 2.5.5、Target Sizeにある44 CSSピクセル四方より若干、厳しめに定義されているようです。