フールプルーフの考え方とWeb制作プロセス

品質管理スタッフ 小稗

先日、制作スタッフとの会話の中で「テキストエディタで作業をする際、マウスを使わずキーボード入力で目当ての作業が完結するよう、手元のエディタをカスタマイズしている」という話を聞きました。

われわれ品質管理部では後工程のチェック部門としてその誤入力を検知していますが、個人でフールプルーフ的な予防策を進めていた点が素晴らしいなと思った次第です。

フールプルーフとは

「フールプルーフ」は、製品やプロセスを設計する際にあらかじめエラーが起きないような仕掛けを組み込むことを指す用語です。

例えば、コンビニやスーパーなどの会計時、バーコードリーダーで商品情報を読み取るのが一般的になっています。スタッフが商品の金額を誤って入力してしまうと、損失や在庫管理上のエラーにつながります。POSレジの仕組みとバーコード読み取りは販売管理上のデータ集積が主目的かもしれませんが、これもバーコードリーダーを採用することで、テンキー入力によるスタッフの打ち間違いを予防することにつながっていると理解できます。

フールプルーフ的に制作業務上のエラー予防について考える

Web制作業務では作業間違いや誤認識によるミスなど、ヒューマンエラーが起きる場面が生じます。これをあらかじめ防ぐことは、後工程でチェックして検知することと同様に重要なアプローチといえます。先ほどのような誤ったコード入力を避ける工夫はその一例でしょう。

テキストエディタについていうと、デフォルトでタグ入力を補完する機能がありますが、これは誤入力や入力漏れを防ぐという意味ではフールプルーフ的に利用できるものと思います。もともとの目的は入力作業の効率化なのでしょうが、入力に一定のルールを持たせることで人的エラーの予防が期待できます。

また、厳密には入力エラーの予防ではありませんが、pre-commitというGitフックを用いてソースチェックを行う方法などは、作業途中での早期の問題検知という意味で似た効果が期待できるでしょう。

エラー予防の切り口として

人的なエラーを成果物に反映しないように工夫することがフールプルーフであり、個々の作業手順や業務プロセスを見直す際にフールプルーフを取り入れることで、より効果的なエラー予防策につながる可能性があります。品質管理部では後工程のチェックに注力しているわけですが、あらかじめエラー予防できる「つくりかた」に注目することも広義の品質管理活動になると考えるきっかけになりました。