エラーを繰り返さないためのコミュニケーション
クリエイティブディレクター 坂本この記事はミツエーリンクス Advent Calendar 2020 - Adventarの24日目の記事です。
はじめまして。私は普段、Webサイトの運用をメインにクリエイティブディレクターとして活動しています。
今日はクリスマス前日ですが、通常営業日のためいつも通り業務をしつつ、Webサイト運用上発生するエラーと、それを繰り返さないためのコミュニケーションについて、考えていきたいと思います。
そのエラーは本当に「自分の確認不足」が原因か?
日頃の問題解決や、運用改善、品質向上のために日夜運用ディレクターは頭を悩ませていますが、その中でも一番改善しやすく、またしにくい禅問答のような問題が「コミュニケーション」であると思います。
何かのエラーが起きた際に、社内外のメンバーに「自分の確認不足で」と安易に答えてしまうことはありませんか?
しかしその問題は、本当にあなたの確認不足により起こったことなのでしょうか。
あえて「安易」に、と表現しましたが、重要なのは「確認フローがあったか」「確認を行えば起きなかったか」「確認の工程を増やすことで改善ができるか」まで考えて答えられていたのか否かです。
確認不足は「たられば」が発生しやすく原因とされやすいため「あの時確認をしていれば」と考え、その改善策として「確認の工程を増やす」ケースがあります。しかしそこが原因ではなかった場合、確認の工程が増えたことでかえってエラーが起きる可能性もあります。
エラー発生原因を探求するコミュニケーション
例えば、作業者がマニュアルを見なかったことでエラーが起きたとしましょう。
ここでは作業者に対し「なぜマニュアルを見なかったのか」を問うコミュニケーションではなく、プロジェクトに関わるメンバーで「なぜマニュアルを見ないという状況が起きたか?」を議論するというコミュニケーションをとります。
大まかには以下の通りです。
- ①作業者はこの作業は初めてだったのか?
- →初めてであれば②-aへ、そうでなければ②-bへ
- ②-a(初めてならば)マニュアルの共有は受けているのか?また置き場所は把握していたのか?
- 共有されているのであれば、③-aへ
- マニュアルを共有されていないのであれば共有、念のため読み合わせを行う。また案件の仕組み(レクチャー時、また案件に必要な情報を集めた場所の共有方法)を改善する
- ②-b(実施したことがある作業であれば)マニュアルは作業のたびに読まなくてはならないものなのか、マニュアルに対する理解度が浅かったのか、マニュアルのどこかに問題があるのか、を判断する
- 一緒に読み合わせを行い、問題箇所の追求。マニュアルの変更。チームへ周知する
- チームメンバーへのヒアリングを行い、マニュアルを見ながらの作業が必須かの判断を行い、必須であると判断した場合③-bへ
- ③-a(マニュアル共有がされているのであれば)マニュアルを読まなかった原因は何か?
- マニュアルわかりづらい場所にあった、案件の時間の制限が厳しく見る時間がもてなかった等の原因が散見されれば④へ
- ③-b(マニュアルを見ながらの作業が必須である場合)複雑な工程やクリティカルな失敗につながる場合は作業と同時に確認ができるツールを作成するなどチェックシートなど確認フローをチームで作成または再定義。また誰を主担当とするかを決める
- ④(マニュアルを読まない原因がある場合)簡単に見るすべはあるか、またマニュアル自体が複雑になっていないかを探る
- 依頼入稿時にマニュアルの置き場所を明記するようにする、またマニュアルが見づらい場合はマニュアルを改善する
- マニュアルを案件依頼時に確認するようにする、また場合によりマニュアルを読んだことの報告を義務付けるため、読んだことを見える化する仕組みを作る
このように議論をすすめていくと、単純に「マニュアルを見るという確認を行う」ことで解決するエラーではないかもしれない、ということが見えてきます。
なお、議論の最中にさまざまなアイデアが出てくるのがよいチームのコミュニケーションであると思います。ジャストアイデアでよいのでなるべく多くの案を出し、PDCAを回します。
さいごに
コミュニケーションは、日ごろの業務においてはもちろん、エラーの発生時からその解決の過程においても、プロジェクトに関わるメンバー間はもちろんお客様やときには会社全体とも密にとっていく必要があります。
このコミュニケーションがうまくいくことで、エラーを封じることも可能となります。
Webサイト運用におけるコミュニケーションとは、お互いにその後のことまで想像できる提案を行えることだと感じます。これが知見や経験で補完され、お互いが正しい認識がしやすい状態を作れるようになることが、よいコミュニケーションではないでしょうか。
ここまで読んでいただいた皆様が少しでもコミュニケーションについて考える機会が持てましたら幸いです。
ご拝読、ありがとうございました。 メリークリスマス!