2004年4月9日 Web標準に準拠する価値

シックスシグマ推進本部
木達 一仁

本日、弊社のWebサイトをリニューアルしました。リニューアルといっても、見栄えを大きく変更したわけではありません。当サイトで公開しているコンテンツを、「HyperText Markup Language (HTML) 4.01 Transitional」と「Cascading Style Sheets(CSS)Level 2」という2つのWeb標準に準拠するよう実装し直したのです。その意味では、リストラクチャ、再構築と呼ぶべきかもしれません。

今回のリニューアルの結果によって得られるベネフィットを具体的に紹介しつつ、Web標準に準拠することの価値についてお話したいと思います。

適切な文書構造をHTMLで記述

HTMLとCSSは、数あるWeb標準の中でも最も広く利用されている代表的な標準です。本来、前者は文書の構造を、後者はその見栄えを記述するためのものです。しかし当サイトではこれまで、HTMLを構造のみならず見栄えを記述することにも利用してきました。

そこで今回のリニューアルでは、HTMLとCSSの双方を本来意図された目的でもって使用し、かつ文法的に仕様に準拠するよう記述しました。

見栄えを記述していたHTMLソースを削除し、CSSによる指定に切り替えることで、HTML文書のファイル容量を軽量化できます。実際、当サイトのHTML文書は全部で約1300ファイル、容量にして約15メガバイトありましたが、ファイル数はそのままに容量を3分の2程度にまで削減できました。

これは、同じ通信帯域であってもより多くのアクセスを同時に処理することが可能になった、とも言い換えることができます。アクセスの多いWebサイトにとっては特に、運用コスト削減という観点からこのメリットは見逃せないものでしょう。

もちろん、ファイル容量が小さいほどページの読み込み速度は速くなりますから、閲覧するユーザーの体験の質を向上させることにもなります。また、HTMLの記述がシンプルになるぶん、サイト運用者にとってはメンテナンス性が向上します。

文書構造を適切に記述することで、コンテンツをよりアクセシブルにできます。携帯電話やPDA、テレビ、音声読み上げブラウザやスクリーンリーダーなど、コンテンツへのアクセス環境や利用形態は多様化の一途をたどっています。文書を適切な構造と共に提供することは、いかなる場面においても、コンテンツにある情報を伝えるうえで重要なことです。

ブラウザのようなソフトウェアだけでなく、検索サービスのコンテンツ収集ロボット(スパイダー)もまた、HTML文書を解釈しています。適切な文書構造の記述を心がけることは、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization、SEO)の観点からも好ましいことです。

上記のほかにも、Web標準に準拠することでコンテンツの前方互換性や後方互換性に配慮することができる、といったメリットがあります。

加速するWeb標準への準拠

Web標準に準拠してサイトを構築すると、サイトを訪問する側と運営する側の双方にメリットがあるということがお分かりいただけたと思います。

国内外を問わず、既に多くのWebサイトがWeb標準に準拠することに価値を見出し、また実践してきました。Webコンテンツに対しアクセシビリティの確保が一層声高に求めらていることや、Web標準に良く準拠したブラウザのユーザーシェアが伸びていることなどを鑑みますと、この動きは今後加速する一方ではないかと思います。

特に今年は、Webコンテンツアクセシビリティに関するJIS規格が策定される見込みです。アメリカではリハビリテーション法第508条の施行を背景として、CSSによるコンテンツの実装が普及した経緯がありますから、日本でも同様の現象が起こるかもしれません。

当サイトの今後とWeb標準

当サイトについては、今回のリニューアルでWeb標準への準拠を終了したわけではなく、あくまでもその第一歩という位置づけになるかと思います。

日常的なサイト運用の中で、準拠した仕様に反しないよう留意し続けるのはもちろんのこと、今後はコンテンツをよりアクセシブルにするための基準である「WCAG(Web Content Accessibility Guideliness)」への準拠や、文書構造の記述言語を「XHTML(Extensible HyperText Markup Language)」に移行することなどを予定しています。

今後登場するであろう新たなWeb標準についても、その内容や理念を十分理解しながら、必要性と優先順位を考慮しつつ準拠していくことになると思います。総じてWeb標準への準拠とは、弊社の掲げる行動理念「継続的改善」のプロセスそのもの、と言えるでしょう。

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