2008年10月24日 アクセシビリティ・ユーザーテスト サービス

アクセシビリティ・エンジニア
辻 勝利

去る10月10日、当社18階のセミナールームで、アクセシビリティ・ユーザーテスト 実践セミナーを開催いたしました。今回のセミナーの目的は、障害者や高齢者をターゲットとしたユーザーテストをどのように行なうか、その方法の説明のみならず、スクリーン・リーダーを日常使用している筆者を被験者として行なうパイロットテストを参加者の皆様にご覧いただき、実践的なユーザーテストを体験していただくことにありました。

本稿ではセミナーの様子を通して、アクセシビリティ・ユーザーテスト サービスについてご紹介したいと思います。

アクセシビリティ・ユーザーテスト サービスとは

このサービスは、障害者や高齢者の被験者にクライアントのWebサイト内でタスクを実行してもらい、その結果をもとにWebサイトの使い勝手を検証して、問題点や改善案をレポートするものです。

近年、スクリーン・リーダーなどの支援技術の発展により、Webサイトにアクセスする障害者の方も増えてきました。また、日本だけでなく、世界中で高齢化が進んでおり、高齢者の方が企業のサイトを訪れる機会も増えてきました。しかしながら、Webサイトを訪れる高齢者や障害のある利用者が、どのように情報を閲覧しているのかを知る機会が、あまり多くはないのが実情です。

そこで、当社および当社と業務提携した株式会社インフォアクシアが、両社の強みを生かして今年7月に共同でリリースしたのが、障害者や高齢者に特化したユーザーテストサービスです。

セミナーの内容

本セミナーは2部構成になっており、はじめにアクセシビリティ・ユーザーテスト サービスがどのようなものなのか、また今後改定が予定されているJIS X 8341-3や、まもなく勧告予定のWCAG 2.0との関連について、当社の中村とインフォアクシアの植木氏から紹介しました。

中でも筆者が重要だと感じたのが、ユーザーテストを行なう際に気をつけるべきポイントです。その中から、3つご紹介しましょう。

同じ属性をもつ利用者として、5人程度を対象にテストを行なう

これは、少人数でテストを行なった場合、個人の主観がテスト結果に入ってしまうことを避けるためです。ユーザビリティの第一人者、Jacob Nielsen氏が、コラム『Alertbox: 5ユーザでテストすれば十分な理由』の中で、詳しく紹介されておりますので、ご存じの方も多いのではないでしょうか?

問題点を慎重に見極める

被験者がタスク実行中に遭遇した問題が、コンテンツにあるのか、ユーザーエージェントにあるのか、被験者自身のスキルにあるのかといった原因について、慎重に判断しなければなりません。

被験者を誘導しない

ユーザーテスト中、インタビューを行なう人は被験者の行動観察に集中し、被験者をタスクのゴールに導くような発言をしたり、答えを教えたりすべきではありません。
これらはテストの結果に重要な影響を与える事柄なので、ユーザーテストを行なう際は特に注意すべき項目として筆者の印象に残りました。

セミナー後半は、筆者を被験者としたパイロットユーザーテストをセミナー会場で行ないました。

事前にテストを希望された参加者が所属する組織のWebサイトの中から2つを選び、設定されたタスクを実行する様子を、皆さんに見ていただくという内容でした。

最初のタスクは、「会社を訪問するために、会社の所在地と最寄り駅の情報を、会社のWebサイトから探しだす」というものでした。普段は、特定のサイトのトップページから情報を検索することをあまりしない筆者にとっては、やや難易度が高いという程度のタスクでした。

しかし、2番目の「ある施設の建設予定地を自治体のWebサイトから検索する」というタスクは、セミナー中に完了できないほど難しいものでした。

それぞれのタスク終了後には、タスク実行中に筆者が行なった操作についてのインタビューが行なわれ、筆者の回答をもとに、その問題がWebサイトのコンテンツの問題なのか、スクリーン・リーダーの機能に依存したものなのか、筆者のスキルが原因で起こる問題なのかといった詳細が解説されました。

セミナー終了後には、前半のサービスについての解説がわかりやすかったという意見や、実際のユーザーテストを詳しい解説つきで体験できてよかったといった感想をいただきました。

当サービスの特長

最後に、本サービスの強みについてご紹介したいと思います。

  • JIS X 8341-3やWCAG2.0をはじめとしたWebアクセシビリティに関するガイドラインに精通しているスタッフがテストを行なう。
  • スタッフは、高齢者や障害のあるユーザー、支援技術に関する幅広い知識を有している。
  • ユーザーテストを行ない、分析を行なうためのユーザーテストスタジオがある。
  • ユーザーテストで得られた知見をもとに、Webサイトの構築を行なうことができる。

上記のような強みをもつアクセシビリティ・ユーザーテスト サービスを、ぜひ貴社のWebアクセシビリティ向上にご活用いただきたいと思います。

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