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アベベチ・ゴベナ孤児院を訪問して

2006年4月21日

経営企画室
三津川 陽子

「エチオピアに行くぞ!」そんな言葉を弊社代表の高橋から聞いたのは昨年、2005年の年末でした。その時は「また、なんでエチオピアなんだろう?」と不思議に思ったのですが、詳しく話を聞いてみるとエチオピアにある孤児院をCSR活動の一環として支援したいとのこと 。ミツエーリンクスが社会貢献活動に力を入れていることはかねてから、いちスタッフとして自分の会社を好きな理由でもありましたので、ただ単に孤児院に支援金を寄付するだけでなく、「もっと目にみえるかたちで、ミツエーらしくサポートしたい。そのためにまずは現地に行って自分たちの目で現状を確かめたい。」という目的があると知り同行を希望しました。

エチオピアの首都、アジスアベバ

高橋、撮影担当としてモーションピクチャーチームの玉川、そして英語通訳として私の合計3名がエチオピアに旅立ったのは、準備期間を経てスケジュール調整がついた4月9日。ドバイ経由でエチオピアの首都、アジスアベバに到着したのは羽田空港を出発してから実に20時間を経過していました。エチオピアの地に降り立って、まず目にしたものは青く澄み切った空、標高2500メートルに位置しているため東京にいる時よりもずっと近くに在る雲、そして街を囲むように連なる緑の小高い山々。すごくきれいな高原の景色で、自分が抱いていたアフリカの印象とは全く違っていたことに驚きました。

空港から宿泊する市内のホテルまで約30分の道のりでは、車内からアジスアベバの日常を垣間見ることができました。民族風のショールに肩を隠し巻きスカートをはいて歩いている女性、大通りのすぐ脇で山羊を放牧させている男の人、ジーンズにTシャツ姿の若者たち。道端には木材でつくった小さな小屋がならびバナナなどを売る果物屋や、肉屋、靴屋や缶詰屋などいろいろな店が商売をしていました。たくさんの人が歩いていて、道路も自家用車やタクシー、乗り合いバスがひっきりなしに走っておりとても活気のある街でした。一方で舗装されたメイン道路を一本外れると赤茶色の土がむきだしのごつごつとした岩が露出し歩くのも困難そうな路地が広がっています。そしてその先にはトタン屋根の質素な家屋がところ狭しと軒先をつらね、貧しいみなりの子供たちが遊んでる姿がありました。

アベベチ・ゴベナ孤児院

翌日、私たちはアジスアベバ市内に所在するアベベチ・ゴベナ孤児院を訪れました。孤児院の名前の由来でもあり創設者であるアベベチ・ゴベナさんは1980年にエチオピアを襲った干ばつと飢饉の際に孤児となった二人の子供を助け、そこから彼女の子供たちを救う活動は年々規模を増し現在の孤児院になったそうです。今回、実際にゴベナさんにお会いしてご挨拶し、弊社スタッフから募った支援金を手渡すことができました。日本からわざわざ足を運んだことを大変喜んでいただき、とても温かく迎えられ、またスタッフの方に丁寧に施設を案内していただきました。「貧しさのため家族と一緒に暮らすことのできない子供たちが生活しているところ」という認識で今回訪問したのですが、敷地内には子供たちが寝泊りする宿舎の他に幼稚園や1年生から8年生までが通う学校、また妊婦のためのクリニック、手に職を持たない女性のために調理やハウスキーピングについて教える職業訓練学校も併設されていました。また、定期的に支援金を調達するパーマネント・スポンサーがいないため運営資金のたしとなるよう、また施設近辺に暮らす貧しい女性たちに雇用機会を与えるという目的でエチオピア人の主食であるインジェラを焼き周辺のレストランへ卸したり、衣類の生産や販売、農作物の栽培を行うなど、子供から大人たちがともに生活し働いている様子はひとつの小さな村をみているようで感銘を受けました。

実はもっと暗く困難な状況の施設で生活している子供たちを想像していたのですが、アベベチ・ゴベナ孤児院は貧しいながらも清潔に整えられていました。授業を受ける子供たちを見学させていただい際には、専門知識をもちあわせたスタッフが働く環境で子供たちは学業に専念することができているようにみえました。案内してくださったマネジメントスタッフによると、今後の施設のゴールは周辺地域のもっと貧しく、貧困のため学校に行くこともできない、もしくは食べることもままならない子供たちを引き取り施設で生活させ教育を受けさせることだそうです。

現在、エチオピアでは慢性的な貧困状況に加えAIDS/HIVが深刻な問題で、感染率は年々上昇しておりそのために親を失い孤児となる子供が多いそうです。この施設では周辺住民へAIDS/HIV感染防止に関する教育を実施し、孤児の数を減らすという面でも活動を行っており、このようにさまざまなプログラムが連携し、ただ単に子供たちに寝る場所と食べ物を提供するというだけではなく、子供たちの自立、組織の自立、そして社会的問題の解決に向けてこの施設が運用されていることに共感を覚えました。

Growing Up Together〜一緒に成長しよう

高橋が今回この孤児院を支援するプロジェクトのテーマとしてかかげた言葉、「Growing Up Together〜一緒に成長しよう」。ミツエーリンクスはITというまだ新しい分野において設立15年の企業であり、また働くスタッフの平均年齢も28歳という若い組織です。そんな私たちにとってアベベチ・ゴベナ孤児院を支援するということは、助けると同時に学ぶことも多いまさに「ギヴアンドテイク」の関係となるのではと感じました。

また5日間という短い期間でしたが、アベベチ・ゴベナさんや孤児院のスタッフそして子供たち、毎日の運転とガイドを務めていただいたドライバーのオナトゥさんや彼の家族の方々などエチオピアの人々と実際にお会いしお話する機会に恵まれ、そのお陰でエチオピアとは飢餓・貧困に苦しむだけの国ではなく、長い歴史と豊かな文化を持ったとても魅力的な国だということがわかりました。このようにエチオピアの人々と交流し一緒に改善の方法を考えるベースとなる体験ができたこの訪問を無駄にすることなく、今後もミツエーらしい支援活動を継続していけるよう努力していきたいと思います。

最後に今回の訪エチオピアに際して、エチオピアの子供たちを支援するNPO団体、武蔵野倶楽部の大隈広貴様には大変お世話になりこの場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。