JIS X 8341-3 改正原案に対する意見受付が公告

エグゼクティブ・フェロー 木達

Webコンテンツのアクセシビリティに関するJIS規格、「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ(規格番号:JIS X 8341-3)」の改正原案に対する意見受付が、9月24日付けで公告されました。原案の閲覧ならびに意見の提出は日本工業標準調査会のサイトから行うことができ、また意見の提出期限は今年11月22日とされています。

JIS規格は、制定ないし改正から5年を過ぎるまでに、改正または廃止の是非を確認することになっています。JIS X 8341-3については2004年6月20日に制定され、その後2010年8月20日に改正されました。現在、一般的に利用されているのはその2010年版(JIS X 8341-3:2010)、つまりWebアクセシビリティの国際規格であるWCAG 2.0と協調したものです。

2010年の改正から5年が経過した今年公開された改正原案は、先の国際協調をさらに推し進めた内容と言えるでしょう。主な改正点にW3C勧告の「WCAG 2.0」に対応した国際規格「ISO/IEC 40500:2012」に一致させたとありますように、その内容は「WCAG 2.0」「ISO/IEC 40500:2012」とイコールの位置付けとなります。ただし、JIS X 8341-3:2010においてJIS独自の要求事項として記載されていた内容は、附属書に推奨事項という位置付けで残されています。

JIS X 8341-3を既に活用されている方も、これから活用をご検討の方も、この機会に改正原案をご覧いただき、またJIS X 8341-3をより良い規格とするためのご意見があれば是非、日本工業標準調査会にお寄せいただきたいと思います。なお、原案の確認には特定の閲覧環境が必要であったり、意見の提出の際には入力に2時間の制限時間が設けられている点には、注意が必要です。