スクリーン・リーダーのページ内検索機能について

アクセシビリティ・エンジニア 辻

私は普段、スクリーン・リーダーを使って目的の情報を探す際、ページ内に設定されている見出しを使って探している情報に近いところから内容を読むように心がけています。 これまでの経験から、その方が効率よく探している情報をみつけだすことができると考えているからです。

例えば、当社ミツエーリンクスのページを例に考えますと、アクセシビリティBlogの最新情報はおそらく「Blog更新情報」という見出しの中にあることが予想できますので、ページの先頭からHキーを何度か押して該当する見出しへ移動し、下矢印キーを何度か押せばアクセシビリティBlogの記事タイトルに効率よくたどり着くことができます(記事が更新されるタイミングによっては一覧にアクセシビリティBlogの記事がないこともあります)。

また、Google ニュースのページでは、見出しが以下のように規則的に使用されているので、これを活用して探しているジャンルのニュースタイトルに効率よくアクセスすることができます。

  • 見出しレベル2:カテゴリー
  • 見出しレベル3:ヘッドライン
  • 見出しレベル4:関連ヘッドライン

それでは、見出しが設定されていないページでは、探している情報を効率よくみつける方法はないのでしょうか? スクリーン・リーダーのページ内検索機能を使えば、ある程度このニーズを満たすことができます。

例えばまちBBS東京23区掲示板には、たくさんのスレッドへのリンクが掲載されていますが、効率よくページ内を移動するための見出しは設定されていません。

私がこの一覧で「西新宿」に関するスレッドを探す場合には、スクリーン・リーダーのページ内検索機能を使用します。

NVDAでは、NVDAキー(テンキー0やインサートキー)+Ctrl+Fでページ内検索機能のダイアログを表示し「西新宿」と入力してEnterキーを押すことで『~西新宿・渋谷区本町・中野区本町』という文字列を含んだスレッドへのリンクを探し出すことができます。

執筆時点では、この一覧に「西新宿」をタイトルに含んでいるスレッドが2件ありますので、NVDA+F3キーを押して次の検索結果に、NVDA+Shift+F3を押して前の検索結果に移動して情報を参照します。

最後に、読みたいスレッドのリンクを開くことで目的のスレッドの内容を参照することができますが、探しているキーワードがあらかじめわかっている場合は、もしかしたらページ内検索を使用した方が情報に早くたどり着けることもあるかもしれません。

スクリーン・リーダーでは画面全体の情報を一度に把握することができないので、探している情報を効率よくみつけだすテクニックを覚えておくことは非常に重要です。

もちろん、ページ内に一貫性のある見出しが設定されていれば情報を効率よく探す手がかりになりますが、ページ内検索も私たちスクリーン・リーダー利用者の強い味方です。

個人的には、現在日本語の文字列が検索できないiOSのSafariのページ内検索機能が早く日本語に対応してくれることを期待しています。