APA Working Groupの初期公開作業草案3題

アクセシビリティ・エンジニア 中村(直)

9月末から10月にかけて、Accessible Platform Architectures(APA)Working Groupが3つの初期公開作業草案(First Public Working Draft)を発行しています。3つの草案がどのようなものなのか、簡単に見ていきたいと思います。

1つ目は、Synchronization Accessibility User Requirementsです。Synchronizationという言葉のとおり、マルチメディアの同期についてのアクセシビリティのユーザーニーズと要件についてまとめています。例えば、映像に対するキャプションの速度に関する研究調査を取り上げています。

2つ目は、Natural Language Interface Accessibility User Requirementsです。自然言語インターフェイスについてのアクセシビリティのユーザーニーズ、要件、およびシナリオについてまとめています。自然言語インターフェイスの典型例として、

  • 音声でコミュニケーションをするように設計された音声エージェント
  • ユーザーからの自然言語リクエストを処理するWebアプリケーションに含まれるチャットボット
  • 電話を介してユーザーと対話し、音声またはキーパッド入力を受け入れ、音声出力を生成する対話型音声応答(IVR)システム

の3つを挙げ、これらのアクセシビリティについて取り上げています。

最後の3つ目は、Accessibility of Remote Meetingsです。その名のとおり、リモート会議のアクセシビリティについてまとめていますが、例えばZoomやMicrosoft Teams、Cisco WebExのようなソフトウェアでリモート会議を行うとして、アクセシビリティが満たされるかどうかは次の3つの要素に依存することになります。

  • リモート会議プラットフォームのアクセシビリティ
  • 会議中に共有されるコンテンツのアクセシビリティ
  • リモート会議が行われているときのホスト参加者のアクセシビリティ認識

この3つをどのようにすれば満たすことができるのかのガイダンスと、既存のWCAG 2.1をはじめとするガイドライン文書との関係性を提供しています。

以上、3つの草案の概要について見てみました。特に1つ目と2つ目の草案については、調査研究が進むにつれ、今後のガイドライン仕様の開発に何らかの影響を与えることがあるのかもしれません。