NVDAにページ内リンクの読み上げ機能が追加
アクセシビリティ・エンジニア 大塚先月25日にリリースされた、Windows用のスクリーンリーダーであるNVDAのバージョン2025.1.2jpでは、ページ内リンクが識別して読み上げられるようになりました(NVDAのリリースノートも併せて参照ください)。ページ内リンクとは、リンク先が同一ページ内のリンクのことを言い、ページ冒頭の目次などで利用されることがあります。
この機能はデフォルトで有効になっており、NVDAの設定の「書式とドキュメント情報」の中の「リンク先の種別」のチェックを切り替えることで無効にできます。
では、具体的にページ内リンクをどのように読み上げるのか、以下のHTMLを例に、他のスクリーンリーダーでの読み上げ方と合わせて紹介します。
<a href="#main-content">ページの本文へ</a>
スクリーンリーダー | 読み上げ結果 | ページ内リンクの識別 |
---|---|---|
NVDA(2025.1.2jp) | ページ内 リンク ページの本文へ | あり |
NVDA(旧バージョン) | リンク ページの本文へ | なし |
PC-Talker(NetReaderとの組み合わせ) | ページの本文へ ページ内リンク | あり |
PC-Talker(Google Chromeとの組み合わせ) | リンク ページの本文へ | なし |
ナレーター | リンク ページの本文へ | なし |
VoiceOver(iOS) | ページの本文へ ページ内リンク | あり |
TalkBack | リンク ページの本文へ | なし |
上記の表から分かるように、ページ内リンクを識別して読み上げるスクリーンリーダーは現時点では少なく、NVDA(2025.1.2jp)、VoiceOver(iOS)、PC-Talker(NetReaderとの組み合わせ)の3つに限られています。
識別して読み上げられることで、ページ内リンクを別のページへのリンクと勘違いして選択してしまい、一瞬フォーカス位置がわからなくなるといった問題を、事前に回避しやすくなりそうです。
NVDAをはじめとするスクリーンリーダーの新機能については、今後も積極的に当Blogで取り上げていきたいです。