生成系AIツールの試用やESGメッセージの適合性評価など、大規模なテクノロジーイベントから得た重要な教訓を、当社CEOであるScott Paytonが紹介します。

(この記事は、 Bowen Craggs社のWebサイト「Our Thinking」において2023年5月5日に公開された記事「SXSW 2023 - lessons for corporate digital communicators」の日本語訳です)

今年のSXSWでは、再生AIをめぐる期待と恐怖が会場の隅々にまで溢れました。

2023年3月、アメリカ合衆国テキサス州オースティンで開催された、テクノロジー・ビジネス・音楽・映画の祭典「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)2023」に参加しました。

さまざまなパネルディスカッション、プレゼンテーション、その他のセッションに参加しました。そこで取り上げられていた講演テーマの多くが、企業のデジタルコミュニケーターが今まさに直面している問題に関連していて、うれしく思いました。

ここでは、SXSW 2003のポイントを、4つに絞って紹介します:

企業のデジタルコミュニケーションに携わっているなら、今すぐ生成AIを試すべき

SXSW 2023では、生成AIの可能性に対する興奮と恐怖が、いたるところで感じられました。

今後、生成AIの長期的な影響がどうなるかはともかく、デジタルコミュニケーターはこのテクノロジーに慣れておくことが重要です。

今は、利用できるツールを使って、いろいろな機能を試してみる時期だといえます。

生成系AIツールは、社外の人々が企業に関するあらゆる情報を得る方法を変えます。それだけではなく、企業のコミュニケーションチームが資料を作成し、その影響を分析する方法をも劇的に変える可能性があるのです。

生成AIを体験するなら、Notion AIに登録してみましょう。

まず、インタビューや電話会議の書き起こしなど、長くて扱いにくい、編集されていないテキストの集まりをコピー&ペーストします。

次に、Notion AIにテキストの要約を指示します。テキストの末尾をクリックして、スペースキーを押し、ドロップダウンメニューから「要約(Summarize)」を選びます。

それだけで、テキストの要約が表示されます。この要約は完璧ではありませんが、編集者が出版できる品質にまで磨き上げていくための出発点としては、驚くほど有益です。この方法なら、担当チームの貴重な時間を節約できます。

重要なことは、デジタルコミュニケーション担当者は、人間の意思決定を置き換えるためにAIの活用方法を懸命に探すのではなく、紹介したNotion AIのように、自分たちの仕事をサポートするためにAIの活用方法を探すべきだということです。

ステークホルダーは、メッセージを以前よりも疑うようになった

多様性への誓約、気候変動に関する約束、政治的課題に対する立場など、企業はその主張を裏付ける具体的な証拠を示すことが求められています。

これは、ますます懐疑的になっている求職者・投資家・顧客・その他ステークホルダーの信頼を獲得し、維持するために不可欠です。

主張を裏付ける方法はさまざまあります。例えば、業績や社会的貢献活動の詳細なデータ、飾らない従業員の声、デジタルチャネル全体の画像が演出ではなく本物だと感じられるようにすることなどです。

ESGに関するメッセージは、重要ではあるが、複雑でもある

アメリカでは、社会における企業の役割や、投資家が社会・環境問題をどの程度考慮するべきかについて、政治的な考えと文化的な考えの二極化が進んでいます。そのせいで、企業の広報チームは頭を悩ませているようです。

アメリカの大手企業のデジタルコミュニケーション責任者は、SXSWのパネルディスカッションの中で「今、企業は発言を恐れています。正しいことをするよりも、正しいことをしていると思われることを恐れているのです」と述べました。

それはつまり、正しいことをしていても、「実際の企業は倫理や価値観を軽視していて、金もうけのためだけに、正しいことをしているように見せている」と、SNSなどで批判されることを恐れているのです。

ESGのメッセージに説得力を持たせるためには、前項の繰り返しになりますが、社会的・環境的な約束や政治的な立場と、事業の中核的な目標や、従業員・顧客・(架空のものではなく)具体的な地域社会のニーズとを、密接に結び付ける必要があります。そうすることで、政治的・文化的の両側からの批判を中和できます。

同業他社の集団から抜きん出ることは、これまで以上に重要かつ困難です

TikTokからTwitterまで、デジタルチャネルはかつてないほど膨大なコンテンツで溢れかえり、人工的に生成されたコンテンツも増える一方です。

同時に、企業はこれらのSNSで自社の「存在意義」をアピールし、環境や社会に対する貢献は競合他社よりも価値がある、と投資家や顧客、求職者やその他の人々へ、盛んに訴えています。

こうした状況は、企業のデジタルコミュニケーション担当者が、自社のメッセージを目立たせ、対象となる人々に響かせることを難しくしています。

これを解決するには、自社のWebサイトやSNSアカウントで、可能な限り独自性を打ち出すことです。ステークホルダーの声に耳を傾け、彼らがこれまでに見たことのないような斬新な方法で、彼らが望むコンテンツを提供することです。

これは今のところ、AIよりも人間のほうが上手にできることです。

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