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CSS Writing Modes Level 3がW3C勧告になりました


アクセシビリティ・エンジニア 中村(直)

やや旧聞ですが、2019年12月10日付けでCSS Writing Modes Level 3がW3C勧告(Recommendation)となりました。10月末に勧告案(Proposed Recommendation)になったことを伝えたCSS Writing Modes Level 3が事実上の策定完了も参照ください。

勧告案の時には主にCSS Writing Modes Level 3が勧告候補(Candidate Recommendation)になった後の仕様に関することについて記しましたが、今回はブラウザーの実装をごく簡単に振り返ってみたいと思います。

Can I Use...でも、もはやたどることができない程度に古い話ですが、初めてWriting Modesが実装されたのは、2000年7月に公開されたInternet Explorer (IE) 5.5のことでした(当時のニュース:窓の杜 - 【NEWS】Internet Explorer 5.5英語版の正式版がリリース)。あまりにもIE6の時代が長かったこともあり、すっかりIEへの負のイメージが定着しているようにも思えますが、当時としては先駆的な試みがなされていたと思っています。

一方でこれもまた古い話ではありますが、Netscape Navigatorの後続となるMozilla Firefoxは、2015年9月にリリースされたバージョン41になってようやく、リリース版(ベータ版ではない)に実装されました(Firefox 41 for developers - Mozilla | MDN)。

なぜここまで両者の実装時期に差が出たのでしょうか。これはIE 5.5はまだ仕様がCSS Writing Modes Level 3という名前ですらなく、仕様の内容が固まっていないうちに実装した一方で、Firefoxはある程度仕様が固まった、勧告候補(Candidate Recommendation)となってから実装したという、両者の仕様に対するスタンスの違いがあったためと言えるでしょう。逆説的に捉えるならば、Firefoxが実装をし始めるということは、ある程度仕様が固まっている状況にある、と捉えることができるでしょうか(もちろん、すべてに当てはまるわけではないですが)。

さて、CSS Writing ModesはLevel 3はW3C勧告となりましたが、これで仕様の策定が終わったというわけではありません。すでにCSS Writing Modes Level 4の策定が進められています。ここでは、Level 3で安定性に欠けるとして削られたいくつかのプロパティ(値)が再導入されています。わかりやすいものではtext-combine-uprightプロパティの値digitsでしょうか。これは、MDNの説明にあるとおり、指定した桁数(整数値)までの連続したASCII数字を水平に並べてボックス内に収めるものです(text-combine-upright - CSS: カスケーディングスタイルシート | MDN)。今後どのように進展していくのか、見守っていきたいところです。