World Usability Day 2017 ~Inclusion through User Experience~

UXエバンジェリスト 金山

2017年11月9日(木)は World Usability Day です。13回目の今年も世界各地でイベントが開催される予定です。(21カ国47イベント[10月27日時点])本記事では、World Usability Dayの概要とテーマをご紹介いたします。

World Usability Day の概要

2004年、ユーザビリティ専門家の国際団体であるUPA(Usability Professionals' Association)が、毎年11月の第2木曜日をWorld Usability Day と定めました。翌2005年より、世界各国でWorld Usability Dayのイベントが開催されるようになりました。(※2012年にUPAがUXPA[UXの専門家団体]に改称した後も名称はそのままです)

キャッチコピーの「MAKING LIFE EASY!」に集約されるように、World Usability DayのCharter(憲章)には、「高度化した技術は使いづらい。人間にとって分かりやすく、生活の助けとなるものでなければならない。人間を中心に据え、各分野の専門家が協力して、よりよい社会を創ろう。」(筆者による抄訳)と言った設立の趣旨と精神が書かれています。

対象とする代表的な領域として以下の6つがあげられており、毎年違うテーマを取り上げ、世界に散らばるユーザビリティ・UXの専門家が自主的にイベントを企画・実施しています。

  1. EDUCATION(教育)
  2. HEALTH(健康)
  3. GOVERNMENT(政府)
  4. COMMUNICATION(コミュニケーション)
  5. PRIVACY AND SECURITY(プライバシーとセキュリティ)
  6. ENTERTAINMENT(エンターテイメント)

World Usability Day 2017のテーマ

2017年のテーマは、「Inclusion through User Experience」です。Inclusion(インクルージョン)は、社会的な一体性を意味しており、「UX手法を駆使してすべての人を対象に考えて取り組もう」と捉えることができます。アクセシビリティやユニバーサルデザインも関連領域として挙げられています。

World Usability Day創始者エリザベス・ローゼンバーグさんからテーマに対するコメントをもらいましたので紹介します。

"This year we choose inclusion because we thought it was extremely important, given the difficulties we see in the world when people are marginalized or discriminated against. We see this in accessibility and that is related to universal design which is an important element in UX. Also we thought we could use our tools for UX to create technology that was more inclusive and help people come together."

以下、筆者の和訳です。「今年、インクルージョンをテーマに選んだのは、人々が疎外されたり差別されたりする世界で直面する困難を考えると、インクルージョンがとても重要だと考えたからです。インクルージョンはアクセシビリティの観点から見ると、UXの重要な要素であるユニバーサルデザインに関連しています。UX向けのツールをもっと包含的に一緒に助け合うテクノロジーを生み出すために使えると考えました。」

World Usability Day 2017に向けて

インクルージョンの意味を考えたのは今回初めてですが、これからの社会にとってとても大事な考え方だと感じました。奇しくも1989年の11月9日はベルリンの壁が崩壊した日です。日本でも11月9日にユニバーサルデザイン関連のイベントが開催されるので、自分の心の中にある壁を乗り越えて、自分以外のすべての人に意識を向けて考える日にしたいと思います。