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インターネットとテレビの融合

2005年2月25日

代表取締役
髙橋 仁

久々に表題に関する議論が世の中を騒がせています。「インターネットとテレビの融合」というキーワードに関して、この分野の者として自分なりに振り返ってみようと思います。まず、1990年4月5日発行、今から15年前の書籍を紹介します。

メディアの複合化

これまでの企業の広報、広告宣伝活動は、主にテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などのマスコミュニケーションメディアを通じて行われてきた。これは消費者のニーズが比較的均一であったことを背景に、大量生産・大量消費のマーケティングが通用し、PRの形態・内容も企業が一方的に消費者に画一的情報を提供するものでも、効果をあげることができたことによる。
しかし、成熟社会に移行し、消費者の価値観、行動が多様化するに伴って、ニーズも個別化しており、よりキメ細やかな情報提供の必要性が高まってきた。これによりパーソナルな形態および内容の情報提供がもとめられるようになってきたといえるであろう。
こうした要請に応じるためのメディアの対応として、メディアの複合化が注目されている。これは従来のマスメディアと、パーソナルコミュニケーションに力点を置いたパーソナルメディアとの双方の長所を複合化させた新たなコミュニケーション形態である。つまり、従来のマスメディアの特徴である情報伝達の広範性と、パーソナルメディア特徴である個別対応性と双方向性を取り入れたコミュニケーション形態である。そして、こうした特徴をもったパーソナルメディアとして注目されるものがパソコン通信やワープロ通信である。

全予測90年代の世界 三菱総合研究所 1990年4月5日発行

商用インターネットは1993年に始まりましたのでその3年前の書籍ということになります。通信といえば一般的に電話が主流でした。家庭用のFAXも市場に出始めましたが普及率が1%程度だったと記憶しています。ニフティを筆頭とするパソコン通信が急速に伸び始め、パソコンというよりもワープロ使用が企業には普及していた時代といえるでしょう。

1994年以降、インターネットの価値は広く社会に認められることとなりそれ以前のパーソナルメディアの機能を果たした電話、FAX、パソコン通信を飲み込むようにインターネットが急成長していったという時代背景があります。

上記書籍の抜粋を読んでいただければわかるとおり、「時代は一見右往左往して進んでいるようだが、遠くから見ればまっすぐにある方向に進んでいる」ことが理解できると思います。

1997年以降、マスメディアとインターネットの融合はいたるところでチャレンジされました。しかしビジネス化となると環境が十分整っていないこともあり、なかなか成功事例が出なかったように記憶しています。また、パーソナルメディアの域を超え肥大化したインターネットの勢いにマスメディアが危機感を持ち、取り組む姿勢から切り離しを図ってしまったという時期もあったかもしれません。

いま、「インターネットとテレビの融合」という言葉が目的をそらす、ただ、ネタとして使用されている感があり残念ですが、このキーワードは新しいものではなく、間違っているものでもなく、歴史のなかで脈々と準備が進められており、今でも進行形です。

この機会にこのテーマがより広く社会に知れ渡り、より多くの議論を行い、ビジネスとしても成功していただきたいと願うものであり、それによってより良い社会創造を願うものです。

弊社としてもWebという切り口からメディアの融合に関して開発を進めておりましたが、より現実化してきたメディアの融合の時代に備えて、微力を捧げ、スタッフの力を借りながら新サービスの提供を行っていきたいと考えています。ご期待ください。