2008年1月11日 内部統制と成熟度モデル

取締役
山下 徹治

2007年を表す「今年の漢字」に「偽」が選ばれましたが、昨年は食品業界の偽装表示や、派遣業界の偽装請負といったコンプライアンス問題が大きな社会問題となりました。

こうした問題が表面化する場合、最近は(元)従業員による内部通報がきっかけとなっているケースが非常に増えているそうです。こうした傾向を生む背景には、公益通報者保護制度や公的な通報窓口の設置といった、行政レベルの支援がベースとなっているのは言うまでもありませんが、ブログやSNS、Web掲示板の隆盛により、コミュニケーションのあり方が大きく変わったことも無関係ではないでしょう。もはやこのネットワーク社会の中で、組織ぐるみの悪質なコンプライアンス違反を隠し通すのは困難な時代だということは事実のようです。

内部統制構築には膨大なコストがかかる

こうした問題への企業の予防策として、コーポレートガバナンス、内部統制、コンプライアンスといったキーワードを見聞きします。それぞれの語はつながってはいますが、同義ではありません。内部統制という語にいたっては、広義の意味や狭義の意味があり、非常にやっかいで紛らわしいのです。私も内部統制という言葉を正しく理解するのに数カ月かかりました。

それはさておき、弊社でも、これら一連の対策に昨年から着手しており、ようやく統制の利いた業務フローがリリースされ始めています。また情報システムにも統制のための機能が追加されてきています。

内部統制の4つの目的と6つの基本要素

【4つの目的】

  • 業務の有効性及び効率性
  • 財務報告の信頼性
  • 事業活動に関する法令等の遵守
  • 資産の保全

【6つの基本要素】

  • 統制環境
  • リスクの評価と対応
  • 統制活動
  • 情報と伝達
  • モニタリング(監視活動)
  • IT(情報技術)への対応

それにしても内部統制の構築・運用には膨大なコストがかかります。内部統制の標準的なフレームワークであるCOSOモデルでは、内部統制の4つの目的と6つの基本的要素が定義されており、確かにそれら4つの目的が達成されたらそのコストは回収されるだけの十分な価値があると思います。4つの目的を達成するためには、6つの基本的要素を適切に整備し、有効に機能させることだということも理解できます。しかし、この中で最も大事なのは、「有効に機能させる」ということです。いくら6つの基本要素について対策を講じても、有効に機能させることについて組織にノウハウがなければ4つの目的は達成できず、企業の利益を生むというところには行き着かないでしょう。

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