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Spikes Asia 2019 参加報告

2019年11月1日

映像部 マネージャー/プロデューサー
宮野 光輝

9月25日から27日にかけて開催された「Spikes Asia 2019」に参加してきました。「Spikes Asia」は、毎年シンガポールで開催されているアジア太平洋地域最大級の広告コミュニケーションフェスティバルです。

主に広告業界向けのイベントではあるのですが、B2B向けの企業様でもアジア展開に注力される企業様が増え、それに伴い海外プロモーション、特にブランドの提示(どのような価値創出をする企業なのか)についてのご相談をいただくことが増えたため、その解決に向けた一助とすべく参加してきました。

その観点から興味深かったトピックをいくつかご紹介します。

進歩的なジェンダー描写とは│Progressive Gender Portrayal: The What, How And Why Now

本セッションでは、「『脱ステレオタイプ』としてお決まりの人物描写をやめ、多様性を表現しようという動きがある」ことが紹介されていました。概要は以下のとおりです。

  • 現状は、カンヌライオンズのような大きな賞にでてくるクリエイティブでさえ男性優位なストーリーなどのイメージが定着していて、それが10年間変わっていない
  • しかしネガティブなステレオタイプのキャラクターが映像に登場すると66%の女性が視聴しない、というデータもあり伝統的な広告(ステレオタイプ)は視聴者心理との間にギャップがある。現代の、特に女性の購買割合を考えると、これは非常にナンセンス
  • 今後のコンテンツには女性と男性の割合をどうやって平等にするか、また男女の割合だけでなく、肌の色やプロポーションなど人物の多様性を表現できているか、という視点を持つ必要がある。ハリウッドでも今後は主役の4割が女性となっていき、マーベルも4作品で女性監督を起用することが決まっていることからも世界的にこの動きは大きく、一般的になっていく可能性が高い

これはすぐに日本でも顕在化するトピックだと思いました。海外向けだけでなく国内でアクションを起こす場合にも考えなければいけないポイントではないでしょうか。

大義に振り回されるな│Don't Let 'Purpose' Ruin Our Industry

本セッションでは「そのメッセージは企業のスタンスと合致しているか」をテーマに、事例をまじえつつメッセージの出し方が紹介されていました。

  • 地球環境のため、マイノリティのため、貧困のため、といった大義あるキャンペーンや企業メッセージが増えてきている。しかし世の中の流れに乗ってメッセージを打ち出しても、それが表層的な場合は逆効果となり無視されてしまう可能性がある
  • 企業は過去から続くスタンスの延長線上でメッセージを発信する必要があり、またそのスタンス・ルールは今後もずっと維持する必要がある。世間の流行や企業内の人事異動がそこに影響してはならない
  • そのスタンスを変革する場合はそのメッセージを明確に提示してから実践すべきである

情報を取得する際のメディア選定にも通じますが「いかに信用に足るか」を明示していくことが企業の情報発信についても求められていくと感じました。

WTFは新しいマーケティングモデルになり得るか│Is WTF The New Marketing Model?

本セッションでは、新しいマーケティングドライバーである「WTF」について、事例とともに紹介されました。

  • WTFとは?:消費者を突き動かすドライバーのこと。WTFは以下の頭文字をとったものになる
  • WISH:人々には世界を良くしたい、という想いがある
  • TRY:比較的、満たされた生活であるが何かワンランク上に挑戦したい気持ちがある
  • FUN:楽しく、簡単に参加できることが重要(思わず真似したくなる)
  • データが膨大に増えている現代ではNEEDSとWANTSという従来のマーケティング上の関係性が成立しなくなってきている。
  • 今後は、特にZ世代とミレニアル世代に向けては新しいマーケティングドライバーのひとつとしてWTFが期待される。
    • 事例:TikTok Ads 心肺蘇生普及プロジェクト「#BPM100 DANCE PROJECT」→心肺蘇生の普及を、ダンスと音楽によるエンターテインメントコンテンツとして幅広い世代に訴求
      BPM100 DANCE PROJECT
  • 今後のコンテンツマーケティングは、UXの質(どれだけ感情を動かすか)で考えるべき。どうしたら自分ごととして捉え、参加してもらえるかが鍵となり、ブランドエクイティを構築するなら、コンテンツの紹介だけでなく、どのようなストーリーで消費者との関連性を強めていくかを考えなければならない。

これはB2Cにおけるキャンペーンだけの話ではなく採用活動でも同様で、日本のどの企業にも当てはまるポイントだと感じました。若年層に適切なアプローチが行えることは企業の成長から考えても重要なトピックではないでしょうか。

最後に

企業・サービスの価値の切取り方やその訴求方法も含めて、アジアにおけるトレンドとその成功事例を学ぶことができ、非常に有益な時間となりました。これを糧に今後の企業様のプロモーション展開をより強固にご支援できればと考えています。