対談「アクセシビリティの未来を考える」

取締役 木達

去る5月16日、神戸で催された「アクセシビリティの祭典 2019」で、セッション6「アクセシビリティの未来を考える」に登壇させていただきました。参加してくださった皆様、またイベントの運営に携わられた皆様に、改めて厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

同セッションにおいて対談のお相手をしてくださったクラスメソッド株式会社の持田氏がその後、あらかじめ準備していたネタに関する記事、「アクセシビリティの未来 についてアクセシビリティの祭典で対談しました」を公開されていました。それに倣い、当日お話しできた部分もそうでない部分も含め、私があらかじめ想定をしていた論点について、ごく簡単に箇条書きで記しておこうと思います。

対談セッションの様子画像右:クラスメソッド株式会社の持田氏、画像左:筆者(写真提供はいずれも株式会社ルート・シー様)

アクセシビリティの未来

  • 日本でアクセシビリティ対応を根付かせるには、より強力な法律が必要ではないか?
    • 障害者差別解消法が2016年4月1日に施行されたが、個人的に見聞きする範囲において、アクセシビリティ対応が大きく前進した実感はない
    • 経済合理性を理由にアクセシビリティ対応が進みにくい状況があるなら、法律で「ある程度」強制するしかないのでは?
  • アクセシビリティ対応を根付かせるには、もっと教育が必要ではないか?
  • Webアクセシビリティ確保において、もっと制作者が楽できるようになるのではないか?
    • AI技術の活用でアクセシビリティの不足を補えるようになりつつある
    • いっぽうで懸念も
      • ソフトウェアの推論をどこまで信用すべきか
      • テキスト化の難しい情緒的な情報の伝達が解決困難な課題として残る可能性

「明るい」未来に向け「今」私たちがすべきこと

  • アクセシビリティの力を信じよう
    • 人は本質的に多様であり、アクセシビリティの高い製品やサービスほど必要とされているはず
      • アクセシビリティ品質やその向上に向けた取り組みが、社会的な評価や信用、競合優位性をもたらすはず
    • 業種・業界を問わず誰もがアクセシビリティの価値を認め、可能な範囲で具体的に取り組むことが大事
      • エバンジェリストとして、一人一人が身近な誰かにアクセシビリティの大切さを伝えることができれば
  • デジタルの力を信じよう
    • 物理的な制約を受けにくいからこそ、デジタルコンテンツは多様なニーズに格段に応えやすい=アクセシビリティを確保しやすい
      • User Agentや支援技術といった、コンテンツそのものとユーザーを仲立ちする存在を前向きに活用
    • 物理的な制約を伴う製品やサービスも、デジタル技術の適用でアクセシビリティを高めることができるかもしれない
      • IoT、WoTがもたらすアクセシビリティへの期待
  • Webの力を信じよう
    • Webを介した情報の自由な流通がビジネスや政治、教育、就労を改善してきた
      • Webアクセシビリティのさらなる推進や改善が、社会をより良く導く可能性を期待したい