「State of HTML 2025」がオープン
エグゼクティブ・フェロー 木達Webのフロントエンド開発にかかわるアンケート調査、State of HTML 2025が先日、オープンしました(調査を先導するLea Verou氏のBlog記事、State of HTML 2025 now open!を参照)。回答期限は8月15日で、調査結果は9月15日頃に公開される予定のようです。
「State of HTML」というタイトルからは、あたかもマークアップ言語に特化した調査のように受け取られるかもしれませんが、決してそうではありません。広範な内容を扱っている理由についてVerou氏のBlog記事、Influence the State of HTML 2025 Survey!には以下の説明があります:
While the title is "State of HTML", anything that wouldn't fit better in State of CSS or State of JS is fair game. This includes topics such as accessibility, browser APIs, web components, templating, static site generation, media formats, and more. This may seem strange at first, but is no different than how the HTML specification itself covers a lot more than just HTML markup.
タイトルは 「State of HTML」ですが、State of CSSやState of JSに該当しない内容であれば、何でもありです。従いアクセシビリティ、ブラウザAPI、Webコンポーネント、テンプレート化、静的サイト生成、メディアフォーマットなどのトピックが含まれます。初めての方には奇妙に思えるかもしれませんが、HTML仕様自体がマークアップ以外の多くをカバーしているのと何ら変わりません。
実際、全部で11あるカテゴリのうち、7番目のカテゴリとして「Accessibility」があります。State of HTML 2025では、「Accessibility」において以下の要素や属性などについての設問が並んでいます。
- ランドマーク要素
tabindex
属性focusgroup
属性search
要素- 日頃から取り組んでいること
- Webサイト構築において注意している障害特性
- テストに用いるスクリーンリーダー
- アクセシビリティ監査に用いるツール
- Webアクセシビリティに関して困っていること
前回、2023年に実施されたState of HTMLの調査結果については、本Blogの記事「State of HTML 2023にみるアクセシビリティの現状」や、ミツエーテックラジオの#54「State of HTML 2023から見るフロントエンド」でご紹介しました。そのときは、日本からの回答者は194人で、全回答者に占める割合は2%だったようです。
残念ながら、現時点においてState of HTML 2025のコンテンツの大半が日本語に訳されておらず、英語のままで設問を読み、回答する必要があります。しかし、調査の結果はブラウザベンダーの意思決定に影響し得る、貴重な機会です。ご自身の声をブラウザベンダーに届けたいとお考えの方は、この機会を利用されてはいかがでしょうか。