スクリーンリーダーの操作方法の学習に利用できる機能
アクセシビリティ・エンジニア 大塚スクリーンリーダーには特有のショートカットキーやジェスチャーが存在しており、操作方法を習得する際のハードルの1つとなっています。主要なスクリーンリーダーには、この学習をサポートする便利な機能が組み込まれています。本記事では、代表的なスクリーンリーダーの機能について、利用方法を解説します。なお、いずれの機能もそれぞれのスクリーンリーダーを有効にした状態で利用する必要があります。
NVDAでは、入力ヘルプという機能が利用できます。この機能は、NVDAキーと1キーを押すことで利用でき、再度同じ操作を行うことで終了できます。有効化すると、「下矢印」や「NVDA+n NVDAメニューの表示」などのように、押したキーの名前や、ショートカットキーによって実行される機能が読み上げられます。また、Webページを開いた状態ではブラウザで利用できる機能が読み上げられるなど、特定の状況で利用できるショートカットキーを確認することもできます。
PC-Talkerでは、キーボードガイドという機能が利用できます。この機能は、PC-Talkerに付属してインストールされる「マイサポート」というアプリケーションを起動し、「ツール」メニューから「キーボードガイド」を選択することで利用できます。機能の利用中にWindowsキーを数回押すことで終了できます。有効化すると、「コントロールキー」や「下矢印」などのように、押したキーの名前が読み上げられます。ただし、ショートカットキーによって実行される機能は読み上げられず、スクリーンリーダーの操作というよりは、キーボードの配列を習得する意味合いの強い機能となっています。
macOS向けのVoiceOverでは、「キーボードヘルプ」という機能が利用できます。この機能は、VoiceOverキーとKキーを押すことで利用でき、Escキーを押すことで終了できます。有効化すると、「コントロール、キャップスロック、d ドックへ移動 VoiceOverカーソルをドックに移動します」、「コントロール、キャップスロック、上矢印 上へ移動 VoiceOverカーソルを上に移動します」などのように、押したキーの名前や、ショートカットキーによって実行される機能が読み上げられます。
iOSやiPadOS向けのVoiceOverでは、「ヘルプモード」という機能が利用できます。この機能は、画面上を4本の指で2回タップすることで利用でき、再度同じ操作を行うことで終了できます。有効化すると、「1本指で左スワイプ、前の項目に移動」や、「3本指でシングルタップ、項目の概要を読み上げる」など、実行されたジェスチャと対応した機能が読み上げられます。
Android向けのTalkBackでは、「ジェスチャーの練習」という機能が利用できます。この機能は、Androidの設定から「ユーザー補助」→「TalkBack」→「設定」、さらに「ジェスチャー」→「ジェスチャーのカスタマイズ」を選択することで利用できます。有効化すると、「2本の指でダブルタップ、メディアを再生または一時停止」「3本の指でタップ、TalkBackメニューを開く」など、実行されたジェスチャと対応した機能が読み上げられます。
私自身、現在では業務や日常生活で複数のスクリーンリーダーを利用していますが、スクリーンリーダーの操作を習得する際にはこのような機能に助けられました。特にPC-TalkerやVoiceOverの機能は、初めてPCやスマートフォンを使い始めたころ、操作の基本を覚える際にとても役立ちました。
これらの機能は、スクリーンリーダーの利用を始めたばかりの方だけでなく、より高度なショートカットキーやジェスチャーを活用したい利用者にとっても有用です。いずれも簡単に利用できる機能ですので、ぜひ活用してみてください。