App Storeでのアクセシビリティラベルの現状
アクセシビリティ・エンジニア 大塚以前当Blogで取り上げた、App Storeでのアクセシビリティラベル(Accessibility Nutrition Labels)が、Appleの各OSのバージョン26のリリース以降、実際に利用できるようになりました(Apple Developerサイトの「アクセシビリティラベルの概要」参照)。本記事では、その概要と現状をまとめます。
アクセシビリティラベルは、アプリがVoiceOverや画面拡大などのアクセシビリティ機能に対応しているかを示す仕組みです。これにより、各機能の利用者がアプリの対応状況を把握しやすくなります。各機能への対応状況の評価基準は、Apple Developerのサイトで公開されています。
アクセシビリティラベルが設定されたアプリは、App Storeのアプリページの「アクセシビリティ」セクションに、サポートされる機能が表示されます。一例として、iOSにプリインストールされているメモアプリには、VoiceOverや音声コントロールといった項目の記載があります。

App Storeでメモアプリに表示されたアクセシビリティラベル
一方、アクセシビリティラベルが全く設定されていないアプリについても、未設定であることが示されます。iOS向けのSafariアプリのページには、「デベロッパは、このアプリがサポートしているアクセシビリティ機能をまだ示していません。」と記載があります。なお、アプリごとの対応状況は今後変更される可能性があります。
また、「アクセシビリティラベルの概要」のページには、アクセシビリティラベルが設定されたアプリの検索について
今年の秋以降、ユーザは検索キーワードの一部としてアクセシビリティラベル(Accessibility Nutrition Labels)の機能を含めることで、検索結果をより関連性の高いものにすることができます。たとえば、「VoiceOver対応のメモをとるアプリ」や「テキストを大きな文字で表示できるアプリ」といった検索では、それらの機能に対応していることをラベルに記載しているアプリが、検索結果においてより関連性が高いとみなされます。
との記載がありますが、本稿執筆時点では日本語での検索には対応していないようでした。また、Seeing AIやBe My Eyesなど、主に視覚障害者の利用が想定されているアプリについても、現状アクセシビリティラベルは設定されていませんでした。
機能が利用できるようになって間もないため、現状ではアクセシビリティラベルの有無やアプリの検索性に課題があります。しかし、適切に活用されれば、各種アクセシビリティ機能の利用者がアプリを見つけたり購入の是非を判断したりする時間を大きく短縮できると考えています。今後の認知拡大や、日本語での検索性の向上に期待したいところです。