品質の追求(その4)標準対応の進化とアクセシビリティに関する多様な取り組み

エグゼクティブ・フェロー 木達

前回、品質の追求(その3)アクセシビリティ標準対応では、制作物の当たり前品質に、Web標準準拠に続きアクセシビリティを加えるまでの経緯を簡単に振り返りました。そして、WCAGの適合レベルAを満たすよう制作することを、当社では「標準対応」と呼び始めたことを紹介しました。

その後、時間の経過とともに標準対応を拡充させることになります。2010年4月に開始した当初、標準対応は新規構築(やリニューアル)のプロジェクトに対象を限定していましたが、2016年4月には、サイト運用のプロジェクトも含めるよう強化しました

さらに2018年、WCAGが2.0から2.1へバージョンが上がったことを踏まえ、同年10月からは標準対応についてもWCAG 2.1に基づくよう変更しました。今年、2022年にはWCAGが2.2へバージョンアップされる予定ですが、その暁には再び標準対応を強化することになるでしょう。

一連の、標準対応を軸とした施策を進めるのと並行して、新入社員向けの教育にWebアクセシビリティに特化した時間を設けたほか、旧アクセシビリティBlog(2005年8月〜2014年8月)・現アクセシビリティBlog(2014年8月〜現在)において情報発信に継続的に取り組みました。

こと情報発信に関しては、アクセシビリティに関する世界最大級のカンファレンス、CSUNへの参加に言及しないわけにはいきません。初参加をした2007年を皮切りに複数回、CSUNで講演を行っています。その積極的な参加を通じDeque Systems社の皆さんと知り合うことができ、結果アクセシビリティチェックツール(axe Monitor)の提供へと繋がったのは、大きな収穫でした。

また、標準化やその周辺の活動にも参加してきました。W3Cにおいてアクセシビリティを主導するWAIの活動の一部に参加、またJIS規格を利用するうえで必要な基盤を構築するウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)の活動には設立当初から参加。現在もWAICの活動には複数のスタッフが参加しており、本稿執筆時点において委員長を当社アクセシビリティ部マネージャーの中村 精親が務めています。

ほかにも、古くは書籍『Webアクセシビリティ 〜標準準拠でアクセシブルなサイトを構築/管理するための考え方と実践〜』の出版への参加ですとか、Just Ask: デザインプロセスを通じて取り組むアクセシビリティの翻訳・協賛、また社外での各種イベントでの講演など、振り返ってみれば実に多様な、本記事ではまとめきれないほどの活動に取り組んできました。

その一つ一つが、アクセシビリティを強みの1つとする現在のミツエーリンクスを形作り、また制作物のアクセシビリティ品質を支えてきたのだと、私は思います。品質向上をゴールとした活動の多角化・多面化という点では、品質の追求(その2)で触れたWeb標準準拠の普及のプロセスと近かったようにも思います。

品質の追求(その5)レスポンシブWebデザインに続きます。