2025年1~3月の検品実績と品質改善の取り組みについて
品質管理部スタッフ 小稗今回は、2025年1~3月の検品実績と、検品にもとづく品質改善の取り組みについて取り上げます。
社内用語の定義
検品
- ミツエーリンクス社内で開発されたWebコンテンツについて、原則納品直前にその出来栄えについてチェックすることを「検品」と定義しています
- 検品は原則、品質管理部によって行います
- 社内では様々なクライアントのプロジェクトが進行していますが、この検品は品質管理部に集約して行っています
- 検品プロセスで検知した問題点は、その問題がすべて解消されるまで開発スタッフとの出し戻しを繰り返し、納品物に問題が残らないよう努めています
検品合格率
- 検品によって不備や修正すべき箇所が見つからなかった場合(=ミスがなかった場合)、検品依頼ごとに検品合格とみなしています
- 顧客要望にもとづいてコンテンツが作成されているか、アクセシビリティ標準対応の基準に照らして問題ないか、が主な判定基準となります
- 一定期間の総依頼件数を分母に、合格した件数を分子として、その比率を数値化したものが「検品合格率」です
- Webコンテンツ作成の作業精度をみるKPIとして機能しています
- 2024年度の社内目標は通年で60%以上
検品依頼
- 検品を進めるための、開発スタッフからのインプットを検品依頼と定義しています
- 開発スタッフは作業のまとまりごとに検品依頼を作成、専用の社内システムに登録しています
- 品質管理部はその検品依頼に沿って検品を行います
- ページ数、内容は検品依頼ごとに異なっています
依頼不備率
- 検品に依頼された内容に不備があったものを依頼不備としてカウントしています
- 記載内容をもとに検品を進めるのが難しい場合、品質管理部スタッフによって不備と判定しています
- 依頼不備がすべて解消されたうえで検品を進めています
- 一定期間の総依頼件数を分母に、依頼に不備が発生してしまった件数を分子として、その比率を数値化したものが「依頼不備率」です
- 前工程から後工程へのインプットの精度をみるKPIとして機能しています
- 2024年度の社内目標は通年で15%以下
2025年1~3月の検品実績
- 検品依頼件数:1366件
- 検品合格率:62.5%
- 依頼不備率:5.4%
検品合格率にもとづく改善アクション
検品合格率が低下するということは、作業上のミスが最終工程である検品まで見つからなかったことを意味します。 より前工程でミスを予防するため、ミスの原因と今後取り得る対策について検討するアクションに取り組んでいます。
改善事例の紹介
検品合格率低下を受けてのヒアリングと原因分析
ある案件で不合格となる検品依頼が重なったことを受けて、検品依頼を出した実装担当のスタッフにヒアリングを行いました。ヒアリングは該当スタッフの上長に依頼し、ミスの原因確認と今後の対策について共有を受けました。
- 実装不要なテキストが混入
- 原因:指示書からテキストをコピー&ペーストする際に混入
- 対策:テキスト比較ができるツールを使用し、不要なテキストの混入がないか確認する
ミスの原因が修正作業時のケアレスミスであることは理解できましたが、今回のヒアリングでは具体的なミスの発生要因まで踏み込み切れなかったようでした。
原因の深堀りと改善ポイントの具体化
後日、ケアレスミスの詳細について品質管理部からヒアリングを行いました。
品質管理部側では、混入した文字から「キーボードのショートカット押下の前後に誤ってタイピングをした」という仮説を前提に質問をしてみました。すると、よく使用するショートカットの周辺のキーを、普段から誤って押下してすぐに削除する、という実装者の癖があることがわかりました。本人もいつものこととして言語化できておらず納得した様子でした。これをもってミスの原因をおおむね推定できたと判断しました。
改善アクションにあたってのポイントは、個人の癖を直すことより納品物へタイプミスが混入しないこと。そのために必要な施策を改めて検討することを要望して、今回の改善アクションはクローズといたしました。タイプ時のミスの減らし方にかかわらず、原稿の取り扱い方、実装後のチェック方法など、様々な改善アプローチが可能であることを伝えています。追って、どういった対策と効果があったかのフォローアップのヒアリングを実施する予定です。
クローズ後、品質管理部内にもケアレスミス発生のケーススタディとして経緯の共有を行いました。
今後もこうした社内集計にもとづいた改善活動を続けてまいります。