Web Sustainability Guidelines(WSG)が最初のドラフトノートとして発行
エグゼクティブ・フェロー 木達Web Sustainability Guidelines(WSG)が10月2日、最初のドラフトノートとして発行されました。これまで編集者ドラフトとしてのみ位置付けられてきたWSGが、グループノートとしての完成に一歩また近づいた格好です。
ドラフトノートの発行を知らせつつ、WSGの現状をコンパクトにまとめたW3Cのニュース記事、Web Sustainability Guidelines (WSG) becomes a first public Draft Noteから引用します:
These guidelines use planetary, people, and prosperity principles (the PPP approach) throughout the decision-making process, allowing users to minimize their environmental impact in various ways. These include user-centered design, performant web development, carbon-free infrastructure, sustainable business strategy, and, supported by measurability data, various combinations thereof.
このガイドラインにおいては、意思決定プロセス全体を通じて地球(Planetary)、人間(People)、繁栄(Prosperity)を調和させる原則(PPPアプローチ)が用いられており、さまざまな方法でユーザーが環境に与える影響を最小限に抑えることを可能にします。ユーザー中心のデザイン、パフォーマンスに優れたWeb開発、カーボンフリーのインフラストラクチャ、持続可能なビジネス戦略、また測定可能なデータに裏付けられたそれらの組み合わせが、ガイドラインには含まれます。
WSGを策定するSustainable Web Interest Groupが組織されたのは、ちょうど約1年前のこと(私の書いたコラム「W3CにSustainable Web Interest Groupが発足」参照)。IGとして活動してきたなかで加えられたWSGの改善点の1つとして、編集上の改善が挙げられています。
なにぶんガイドライン全体では相当な文字数と情報量になっていたため、理解しやすさや可読性の向上は不可欠でした。そこで、WHATWGのHTML Standardがそうなっているように、見せ方/読み方を選択できるようにしては......という私の提案を取り入れていただいた格好です。
先月、Webサステナビリティガイドラインについて学べるサイト2選のなかで触れたとおり、グループノートとしての完成は目下、2026年のアースデー(4月22日)を目標としています。これからも、当社制作物の品質基準に将来関わるであろうWSGの策定状況を、Blog記事やコラムを通じお伝えしていきたいと思います。