Smart Communication Design Company
ホーム > ナレッジ > Blog > UX Blog > 2018年1月 > スマート血圧計のグローバル調査

UX Blog

UXデザインの国内外の最新動向をお伝えすると共に、弊社内の日々の業務や勉強会/イベント等で得た学びや、考察したことについて共有して参ります。当Blogの更新情報は、Twitter経由でも配信しています。興味のある方はぜひ、@mlc_uxをフォローしてください。

スマート血圧計のグローバル調査

UXエバンジェリスト 金山

人生100年時代、健康に気を付ける簡単な方法として血圧をモニタリングすることがあげられます。しかし、2、3分とはいえ毎日計測して記録するのは大変なことです。そんな時、血圧の計測と記録を手助けしてくれるのがスマート血圧計です。スマート血圧計を使えば、血圧の測定値がスマートフォンに送られ、血圧をグラフ表示して変化の傾向を掴むことができます。

そこで、本記事では当社がメンバー企業として加盟するUXalliance(ユーザーエクスペリエンス企業の国際ネットワーク)が公開している資料から、スマート血圧計に関する国際調査レポートを取り上げ、個人的におもしろいと思った項目をピックアップしてご紹介します。

公開されている以下の資料(英文)では、ジャーニーマップ形式でビジュアルに表現されていますので、こちらもご覧下さい。

"Smart blood pressure monitors: an international user experience evaluation" (November, 2013)

調査概要

スマート血圧計に関する国際調査は、17カ国で実施され、当社も調査に参加しました。調査は、スマート血圧計の選定・購入から始まり、届いたパッケージを開いてセットアップしやすいかを見て行きました。その後、何日か使用し続けた後の印象として、スマート血圧計が自身の健康管理に役立ちそうかどうか、調査に参加した被験者からの感想を聴取しました。以下、購入・開梱・使用の大きく3つのフェーズに分けて、特徴的なポイントを紹介します。

Purchasing the Device(スマート血圧計を購入する)

購入するスマート血圧計を検討するために、多くの被験者がネットで調べています。ネット上の商品説明だけでは情報が不足しているようで、購入者による商品レビューが有益な情報でした。店頭で検討するケースでは、商品を熟知した販売員からの分かりやすい説明がある国もあれば、オーストラリアのように、調剤薬局の店員や薬剤師がスマート血圧計を知らない国もありました。

購入に関して、インド国内ではスマート血圧計を販売しておらず、国外のどの会社もインドには出荷していない状況の中、幸運にも1社がインドへの出荷に対応してくれました。ニュージーランドでは、商品をネット販売しておらず、カタログを見て電話で注文しています。

'Out-of-Box' Experience(スマート血圧計のパッケージを開き、セットアップする)

商品購入後、パッケージを開いて機器をセットアップして使えるまでの体験も国によって様々でした。フランスでは、白いパッケージがアップル製品のようで高級品のように感じています。スイスでは、透明なシールに気づかずパッケージを開けるのに10分もかかっており、ブラジルでは電池の装着方法が難しくて手間取ったと報告されています。また、説明書の母国語対応が無い場合やスマートフォンとの連携方法に関する記述が分かりづらい場合もあり、使用開始までかなり苦労した国もありました。

Using the Device(スマート血圧計を使用する)

血圧測定に関して、フィンランドでは、8回の測定で1回しか成功しないので、正しい測り方が分からずいらいらした状況でした。うまく測定できた国でも測定値がばらつくため、どの値が正しいのか分からなかったようですが、ドイツでは他の血圧計でも測定して、値が同じことを確認する徹底ぶりでした。

1週間程度使い続ける中、段々慣れてきたが、カフで強く締め付けられるのはちょっと怖いとの血圧測定行為自体に恐怖感を覚える被験者もいました。UXデザインにより、楽しく測定できる工夫が必要なのかも知れません。

まとめ

全体として、半数の被験者がスマート血圧計は健康管理に役立つと感じています。各国語対応が未整備だったり、スマートフォンとの連携が分かりづらかったりと課題はまだまだありますが、手軽な健康管理ツールとしてスマート血圧計の利用促進が期待されます。