Smart Communication Design Company
ホーム > ナレッジ > Blog > UX Blog > 2018年12月 > HCD-Netフォーラム2018参加レポート(2) ~オープニングパネル「HCD-Netの現在と未来」~【教育】

HCD-Netフォーラム2018参加レポート(2) ~オープニングパネル「HCD-Netの現在と未来」~【教育】


UXエバンジェリスト 金山

今回の記事は、HCD-Netフォーラム2018のオープニングパネル「HCD-Netの現在と未来」から【教育】を取り上げます。

テーマ2: 初学者・専門家の基礎教育

2つ目のテーマは、専門家を養成するための教育に関してです。教育現場の現状や今後の課題が話されました。

大野氏からの言葉の要約

人材を育てるための体系的な基礎教育を実施する場にニーズがある。まず、自分で仕事を回すことができるレベル、次に、より深い知識を持って実践できるレベルが求められる。

自身のHCD教育経験と得られた洞察

各理事のHCD教育の経験が紹介され、その経験から得られた洞察が示されました。

HCD教育では「成果の期待」「成長の実感」が重要になる。履修側のニーズの多様性に合わせて教育を提供したり、教育効果の達成度として資格を取得したりすることが考えられる。教育内容としては、知識体系・手法論の理解・習得が重要で、現場で実践する際には再解釈力・再構築力が必要となる。現状、思考方法としてのプロトタイピング、行動経済学(認知心理学)のデザイン活用、デザインプロジェクトの企画立案が重視されていないのも問題である。将来SE(業務システムを開発する)になる可能性の高い大学生に人間工学、HIの講義とHCDの演習を行っている。このように情報系の学部で利用品質を体系的に教育するカリキュラムはほとんどない。組込系では皆無と言ってよい。大学や専門学校の教育現場では、教材を作るスキルと時間を持った人がいないのが実情である。

HCD教育全般における課題認識

主に社会人に対して、現場で活かせる教育に関して課題が示されました。

経営層に対してHCD導入・教育の価値をアピールして、新卒入社時にHCDの必要性・有効性に気付ける研修を行い動機づけするとよい。現場では、手法論を学びたいニーズと学んだことを実務適用して使いこなせるようになりたいニーズが存在するので、インプット型の知識・手法論教育とスループット型(解釈・熟考のための対話型)教育により手法のアレンジのしかたを学ぶ必要がある。HCD-Netが教育現場で使えるコンテンツの開発・提供を行うべきである。

HCD教育の在り方についてのアイデア

興味がない人のやる気を出させるには? 周辺領域の巻き込み方は? との投げかけに対して、以下のアイデアが出されました。

HCDがイノベーションにつながることを強調してメリットを感じてもらったり、HCDがぴったり当てはまる訳ではない学生にインターンシップなどで(いい成果が出た)体験をしてもらったりするとよい。

まとめ

実践できる人を育てるには、教育できる人を育てる必要があります。人を育てることは、HCDに限らず永遠のテーマと言えるでしょう。HCD-Netでも教育WGが活動していますが、そのような取り組みが広がり、専門家を養成する体制が整うことが期待されます。

次回は、オープニングパネルの残り1テーマである【ナレッジ共有】についてレポートする予定です

関連Blog記事

2018年12月7日 HCD-Netフォーラム2018参加レポート(1) ~オープニングパネル「HCD-Netの現在と未来」~【資格】