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【UXPA2019参加報告】ユーザビリティテスト結果からデザインへどうつなげるか


UXリサーチャー 亀山

6月24日から27日にかけて、米国のアリゾナ州スコッツデールで開かれました、UXPA2019の参加報告コラムを先日アップいたしました。そこでお伝えきれなかった内容をこのUX Blogで数回にわけてお伝えしていこうと思います。まずは、私自身がプレゼンターとして参加したポスターセッションの内容をお伝えしたいと思います。

ポスターセッションとは

UXPAではオーラルセッションとポスターセッションの2種類があります。オーラルセッションは、1セッションあたり60分間のプレゼンテーションです。ポスターセッションは、カンファレンス会場内にポスターが張りだされます。所定の1時間のみ発表者がポスターの前にたち、ポスター内容について参加者とインタラクティブな議論をします。今回のUXPAでは、我々が発表したポスターも含め、14枚のポスターが採用されました。

発表したポスターでの問題提起

「How to bridge the gap between usability testing and design - Avoiding misguided solutions to problems -」
(ユーザビリティテストとデザインのギャップを埋めるには - 問題解決をミスリードしないために)というタイトルでポスター発表を行いました。

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UXへの関心の高まりから、ユーザーに最適なWebデザインを提供するという流れは一層強くなっていると感じます。実際のユーザーに使ってもらい問題の抽出を行うユーザビリティテストの実施も改善プロセスの中に組み込まれるシーンが一層増えてきたと感じます。

しかしながら、せっかくユーザビリティテストを実施したにも関わらず、最終的なWebデザインでその問題が解決されないで困っているという声をよく耳にします。いったいユーザビリティテストの現場ではどのようなことが起こっているのでしょうか。

ユーザーの発言を直接的に捉えてしまう

ユーザビリティテストを行うと、ユーザーは多くの言動から我々に改善のヒントをくれます。我々UXリサーチャーは、それらの言動を直接的には捉えず、一旦事実(Fact)として整理を行います。その上でなぜその言動にいたったかの背景(Why)まで考察し、まとめた上で問題を抽出していきます。しかしながらテストの現場にユーザビリティの専門知識を有する人がいなかった場合、比較的「ユーザーの声」に引っ張られてしまう傾向が見られます。

今回のポスターで取り上げた米国のレンタカーサイトのユーザビリティテストの結果を例にとってみようと思います。TOPで日時や店舗の場所を選択後、車種選択、オプション選択をして、確認画面でトータル金額が表示され、予約に進むスマホサイトです。ユーザビリティテストの結果、多くのユーザーが予約する車を決めるのにページの行き来が生じ、予約決定までに戸惑っている様子が見受けられました。そしてある参加者がこう言いました。

最初からトータル金額を出しておけばいいのに

この「最初からトータル金額を出しておけばいいのに」は、1人のユーザーが放ったUIへの意見となるため、非常にインパクトが強く、発言自体を直接的に捉え改善項目の1つとして考えてしまいがちです。その結果、「日時や店舗指定のあとの結果画面で直接トータルのレンタル金額を出せるか」という議論になりやすいです。

しかし、もしシステム制約やビジネス戦略上、現状のTOP検索直後では「トータルを直接出せない」となった場合、それ以上議論が進まなくなってしまいます。また仮に「トータル金額を出せる」となっても、単にユーザーの要求に応じる、ユーザーの感覚に同化するのみとなります。つまり、ユーザー以上の視点を超えられず、解決デザインの幅が狭まっている状態に陥ります。

など、その発生要因(Why)を特定していくともっと解決の幅は広がり、他の方法での議論が可能となります。

では改善にむけて、どうやってユーザーの言動を捉えていけばよいかということは、次回のUX Blogで解説していきたいと思います。

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