8月6日はWorld Wide Web(WWW)の日
エグゼクティブ・フェロー 木達恥ずかしながら、まったく私は認識していなかったのですが、本日8月6日は一部で「World Wide Web(WWW)の日」とされているそうです。1991年のこの日、Webの発明者であるTim Berners-Lee氏は、「alt.hypertext」という名前のニュースグループへの投稿を通じ、当時取り組んでいたWorldWideWebプロジェクトを公にしました。
投稿(「Re: Qualifiers on Hypertext links...」という題名でBerners-Lee氏が記したメール)の原文は、テキストファイル形式でW3Cのサーバー上に現在も公開されており、今なお読めます。その書き出しは、こうです:
The WorldWideWeb (WWW) project aims to allow links to be made to any information anywhere. The address format includes an access method (=namespace), and for most name spaces a hostname and some sort of path.
WorldWideWeb(WWW)プロジェクトは、あらゆる情報へのリンクを、どこにでも作れるようにすることを目的としたものです。アドレスのフォーマットには、アクセス方法(=名前空間)が含まれ、ほとんどの名前空間には、ホスト名と何らかのパスが含まれます。
確かに、この投稿は歴史的なものであり、それを記念して8月6日を「World Wide Webの日」とするのは、理にかなっていると思います。しかしWebの黎明期において、Berners-Lee氏の起こした重要なイベントは他にもあり、いずれの日も「World Wide Webの日」と呼んで違和感のないものです。
- 1990年12月20日
- 世界初のWebページを、当時勤めていたCERNのサーバ上に作成した日
- 1990年11月12日
- WorldWideWebプロジェクトを立ち上げるための提案書「WorldWideWeb: Proposal for a HyperText Project」を提出した日
- 1989年3月12日
- 「WorldWideWeb: Proposal for a HyperText Project」の原形といえる「Information Management: A Proposal」を提出した日
さまざまなWeb技術の標準化を進める国際的な組織として、Berners-Lee氏が創設したW3C(World Wide Web Consortium)では、3月12日を「Webの誕生日」としてお祝いするのが通例だったように思います(2020年の記事、Happy 31st birthday, World Wide Web!はその一例です)。
......とまぁ細かい話はさておき、良い機会ですので、Webの35年以上に及ぶ歴史に、皆さんも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。後方互換性をしっかり保ちながら今日あるまでに普及と進化をし続けたWebと、それを支えてきたすべての人々、とりわけ発明者のBerners-Lee氏に、私は改めて感謝したいと思います。ありがとうございます。