2012年2月10日 『UXデザイン入門』刊行に寄せて

インタラクションデザイナー
栗山 進
ユーザビリティ・エンジニア
潮田 浩

先月末(2012年1月30日)に、日本マイクロソフト(株)のUXエバンジェリストである川西さんと私たちの3名で執筆した、『UXデザイン入門』(日経BP社発行)が刊行されました。そこで本コラムではそれを記念し、簡単に本の紹介をしたいと思います。

本書の概要

本書は、ユーザーに満足してもらえるソフトウエア製品・サービスのユーザーインターフェース(UI)とインタラクション(対話操作)をデザインするための手法を紹介・解説しています。

対象読者はソフトウエア製品やサービスの開発現場にいるエンジニアやプロジェクトマネージャーあるいはデザイナーで、入門書ながらも実践的な内容で書かれています。ソフトウエア開発の現場でUXやユーザーの問題に直面している方々にぜひ読んでいただければと思っています。

本書は2010年から2011年に日本マイクロソフト(株)で数回ほど開催された「ユーザーエクスペリエンス デザイン ワークショップ」を基に執筆されています。このワークショップも本書も、川西さんが中心となり、私たちが協力する形で開発されたものです。

本書の内容

それでは次に、本書の内容を目次に沿って少しご紹介します。本書の構成は上述のワークショップの構成とほぼ同じとなっていますが、内容はより詳しくなっており、また、内容が大幅に追加(5章の前半以降、および、6、7章)されています。

第1章 UXデザイン概要
UXデザインの必要性、UXデザインとは何を意味するのか、UXデザインにはどういうメリットがあるのかについて解説しています。
第2章 デザイン調査
UXデザインを行うための準備段階として、ユーザーと利用状況・目的を明らかにするデザイン調査の意義と調査法について解説しています。
第3章 ユーザーモデリング
デザイン調査で抽出された発見事項を、全員で共有できるような「わかりやすい形」に変換するプロセスである「ユーザーモデリング」について解説しています。
第4章 ストーリーボード
ユーザーがゴールを達成するための、最良の体験の流れの考案と、考案した体験の流れをストーリーボードとしてまとめる方法について解説しています。
第5章 スケッチとプロトタイプ
ある程度具体的な画面デザイン(スケッチ)と、顧客・ユーザーなどから評価を得るためのプロトタイプについて、その意義や作成方法(ワークショップでは解説していない内容が大幅に追加されています)について解説しています。
第6章 ユーザビリティテスト
設計したUI/製品が「ユーザーにとって使いものになるかどうか?」の評価を行う手法の1つである、「ユーザビリティテスト」について解説しています。
第7章 ワークショップ
上述のワークショップで実際に使用したデザイン調査レポートと、各回の発表内容と参加者の声を紹介しています。

なお、上述のワークショップは現在、弊社で開催を受け付けていますので、参加されたい方はお問い合わせいただければ幸いです。詳しくは『UXデザインワークショップ開催』のページをご覧ください。

おわりに

私たちは、これからまた川西さんと上述のワークショップを広めて行こうとしていました。ところが、2012年1月20日、川西さんが交通事故のため逝去されました。UXエバンジェリストとしてこれから益々ご活躍を期待しておりましたし、私たち若輩者をいつも激励してくださっていましたので、誠に残念でなりません。1人でも多くの方に、本書を通じて川西さんの熱い思いが伝わってくれることを願ってやみません。