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AMP対応の是非

2018年3月9日

取締役社長
木達 一仁

Accelerated Mobile Pages、略してAMP(アンプ)と呼ばれるフレームワークがあります。AMPを採用してWebページ(一般的なHTMLページと区別のため、以下「AMPページ」と呼称)を制作することにより、コンテンツを高速に表示させることが可能で、エンゲージメントの向上が期待できます。

高速に表示させる、と書いたばかりですが、Googleの山口能迪氏がHTML5Experts.jpの記事で述べているように、実態としては表示が遅くなる要素を排除したフレームワークです。独自のJavaScriptを読み込ませることも、外部CSSファイルのスタイルを適用することもできないため、表示が速くなるのはある意味当然。むしろ後述するSEO的側面が強く、当社のサービスメニュー上AMP対応表示パフォーマンス改善ではなくファインダビリティ改善に含めているのは、そのためです。

さて、そのAMPはオープンソースのプロジェクトでメンテナンスされていますが、プロジェクトを立ち上げたGoogleとAMPの関係、特にAMPページのGoogle検索結果における取り扱いを巡っては、批判的な意見が少なからずあります。その最たるものが、今年はじめに公開されたGoogle AMPに関する公開書簡です。

同書簡は、AMP自体に問題があるわけではないとしたうえで、AMPページのGoogle検索結果における公平な取り扱いや、GoogleのURLでありながら他所のコンテンツをユーザーにそれと分かりにくく表示していることへの改善を求めています。

批判的な意見の背景には、Googleが自身のサービスにユーザーを囲い込む目的でAMPを利用しているのではないか? との懸念がありますが、AMPページがGoogleのCDNを介した配信を前提としているが故に同様の懸念はAMP発表当初からあり、決して最近になって生じたものではないと理解しています。

プロプライエタリな技術によるWebの拡張を良しとせず、古くからWeb標準への準拠を推進してきた当社がAMP対応サービスをリリースするにあたり、それが当社のお客様にとって、Webサイトのユーザーにとって、そしてまたWeb全体の健全な発展にとって望ましいものかどうか、しばし逡巡した経緯があります。結果として当社のAMP対応サービスは、他社のものよりだいぶ遅れを取ったリリースとなりました(2016年7月リリース)。

先にご紹介した公開書簡でなされている指摘には、一理あると思います。その一方、AMPは表示パフォーマンスの意義を啓発し、表示パフォーマンスの良し悪しがユーザー体験を大きく左右するとの理解を広めてきた、正の側面もあると私は思います。また、より高速な次世代通信規格の5Gが普及すればAMPは不要になるとの見方がありますが、逆に言えば普及するまでのあいだ、AMPのアプローチは有効とも考えられます。

当社としましては、AMPプロジェクトならびにその周辺の動向に注視しつつ、引き続きAMP対応サービスの提供を継続し、AMPがお客様のビジネスにとって必要と考えられる場合には、積極的に採用をご提案したいと考えます。より具体的には、

といったサイトを運用されていて、なおかつ

といったお客様には、AMP対応をご提案したいと考えます。そして上記に該当しない場合については、AMPに依存することなく、Webページの表示パフォーマンス改善をご提案したいと考えます。重要なのはAMPを採用するかどうかではなく、あくまで表示パフォーマンスの側面からユーザー体験をいかにして改善するかです。その命題に対し、どれぐらい先の未来までを見越して取り組むか、それ次第で答えは変わり得ます。

AMPに対しやや否定的なことを書いたかもしれませんが、折しもAMPプロジェクトはStandardizing lessons learned from AMPという記事を公開。AMPを採用していないコンテンツを高速に読み込む技術の標準化に向け、AMPプロジェクトで得られた知見を今後生かしていくと発表しました。この新しい動きについても当社はしっかりフォローし、皆様のサイトの表示パフォーマンス改善に役立てていく考えです。