2020年11月20日 企業のデジタルコミュニケーションのグローバルリーダーから学ぶこと(特別寄稿)

Director of operations and editorial, Bowen Craggs & Co.
Jason Sumner

毎年、私たちは世界のさまざまな企業におけるデジタルコミュニーションを調べ、すべての上級管理職とWeb担当者が知るべきその傾向を特定しています。

今年は、9月下旬にその調査結果を「Bowen Craggs Index of Online Excellence 2020」として公開しました。WebサイトやSNSを介して様々なステークホルダーとコミュニケーションをとっている企業の、世界ランキングベスト30です。ランキングは、8つのメイン測定基準と26のサブ測定基準により、ユーザビリティとコンテンツを包括的に測定しています。この基準は、Bowen Craggs社の専門家による分析と、10年にわたる調査および分析データに基づく方法論で定義されています。

2020年の異常な世界的混乱は、各国の国民の混乱、怒り、不信を強めました。同時に、新型コロナウイルスの大流行により、仕事、商取引、コミュニケーション、情報収集のためのデジタルチャネルへの依存度が高まりました。2020 Index of Online Excellenceの上位企業は、社会的重大変化を認識し、新しく革新的な方法で企業のデジタルチャネルを活用しています。

イギリスを本社とするエネルギー大手BP社は今年の新しいリーダーであり、最高280点のうち224点を獲得しています。 BP社は、全体的なユーザビリティとメッセージングに非常に優れ、ジャーナリスト、投資家、求職者などの特定の対象者に沿ったサービスを提供しています。同社では今年、CEO交代、再生可能エネルギーに焦点を当てた新しい戦略、パンデミックによる石油需要の急落など、多くの変更がありましたが、透明性のある方法でコミュニケーションをとっており、優れた事例となりました。

BPが特に優れているのは、各ステークホルダーの信頼を向上させるために、社内で起こっていることを外部に共有していることです。私たちBowen Craggsは「インサイド・アウトコミュニケーション」と呼んでいます。CEOのBernard Looney氏は、BPの企業Webサイトと個人のLinkedInアカウントに「Notes to Staff」という 社員向けメッセージを誰もが見られるように公開し、舞台裏を見せ、各ステークホルダーの信頼を築いています。「インサイドアウトコミュニケーション」のもう1つの例は、アメリカの通信大手Verizonの従業員向け「Up to Speed」というポッドキャストのシリーズで、外部チャネルで公開されています。Verizonは、ランキング7位であり、アメリカにおいては最もスコアの高い企業です。BP、Verizon、およびランキングトップ30の他の企業は、ステークホルダー(投資家、ジャーナリスト、為政者、求職者、従業員、顧客)が組織に透明性の向上を要求していることを理解しています。

透明性を求める傾向は、世界各国の企業Webサイトで訪問者を対象に実施されたユーザー調査のデータが証明しています。ユーザーは、現実世界の活動で何を意味するのかを説明せずに企業の「存在意義や目的」を述べている場合など、企業が事実や証拠よりもスローガンに依存していることにますます不満を感じています。

社内情報はマウスをクリックするだけで漏れる可能性があるため、内部の「事実」と外部に伝えるストーリーとの差をできるだけ少なくすることは理にかなっています。さらに、対応すべきネガティブな事案がある場合、デジタルの透明性は受容力のあるユーザーを構築するのにも役立ちます。

現時点で、ランキングの上位30社に日本企業は存在せず、総合成績の基準を満たしていません(今年の平均点は280点中約192点)。しかしながら、多くの日本企業は、デジタル企業コミュニケーションの特定の分野ではベストプラクティスを示しています。 たとえば、トヨタは「モビリティ」という企業としての地位を確立しており、そのプレスリリースアーカイブは同社の豊かな歴史をうまく統合しています。

一般的に、多くの日本企業はすでに世界クラスのソーシャルメディア向けのマーケティング戦略を持っています。私たちは、日本企業が同様の才能とリソースを活用して、デジタルチャネルの使用を「マーケティング」し、企業ブランドのために世界における社会的および環境的貢献度を企業Webサイトに提示することを奨励します。

しかし、ブランドを築き、投資を増やし、才能を引き付けるための企業のデジタルチャネルの重要性を認識することは、ほんの始まりに過ぎません。重要なことは、継続的な改善のための継続的な投資であり、企業のデジタルチャネルが他のイニシアチブ(マーケティング、販売、カスタマーサービス)との連携を確保するとともに、測定とデータを通じて上級管理職に価値を証明することです。