英国Bowen Craggs & Co.の許諾を得て、同社が運営するWebサイトの「BC Tips」から抜粋し、グローバルWebサイト事例に関する記事を翻訳してお届けします。

ミツエーリンクスではBowen Craggs社と提携し「グローバルWebサイトベストプラクティス調査」サービスもご提供しています。

Nordea:ナビゲーションの工夫で、モバイルユーザーを移動しやすくする

世界19カ国に1400以上の支店を持つNordea銀行のモバイルサイトのメニューは、あらゆるユーザーニーズに応えられるように、万全の準備を施しています。

(この記事は、2020年6月10日に公開された記事「Nordea : Ensuring users can find their way - and place - on mobile」の日本語訳です。)

Screen capture of Nordea's mobile menu

The Site(実際に行われたこと)

北欧諸国を中心に事業展開するNordea銀行の公式サイトNordea.comでは、スマートフォンや小さなタブレットで閲覧するユーザーに対して、画面上部に固定表示されるナビゲーションエリアの右側に、「Menu」というラベルの付いたハンバーガーボタンを表示しています。

そのハンバーガーボタンをタップすると開くメニュー画面では、主なカテゴリーを明確に表示し、下層ページに進めることを右端の矢印アイコンで示しています。各カテゴリーの行全体がタップ可能です。

そこをタップすることで右からスライド表示される、より詳細なメニュー画面でも、右向きの矢印アイコンでさらなる下層ページの存在を示しています。また、今まで選択してきたカテゴリーは、灰色の線で目立たせています。

そして、より深い下層ページを閲覧しているユーザーが、上層ページへ戻るためのルートを、左向きの矢印アイコンで明示しています。下層ページでメニューを再度開くと、サイト階層における現在地、つまり閲覧中のページを太字で表示します。

問い合わせ、銀行サービスへのログイン、言語切り替え用のリンクも用意しています。

The Takeaway(ここから得られる知識)

Nordeaのモバイルナビゲーションは、私たちが今まで閲覧した企業Webサイトの中でも特に優秀です。

このモバイルナビゲーションは直感的に操作でき、カテゴリーをまたいだ移動も分かりやすく、企業サイト内のさまざまな階層にユーザーをきちんと案内します。私たちの調査では、こうしたナビゲーションは、深い階層のページや複数のカテゴリーを行き来したいユーザーにとって、重要なツールとなることが分かっています。

このメニューは、PCと同じようにモバイルでも表示されるパンくずリストと連動して、Webサイトの深い階層まで閲覧する多くのユーザーにとって、優れたガイドとなります。多くの企業サイトのモバイルメニューが、開いたときに現在のページを表示するのではなく、デフォルトで初期メニューを表示するのとは対照的です。

実用的なリンクの設置や情報アーキテクチャなど、どのような閲覧目的のユーザーにも十分な配慮がなされています。

www.nordea.com

Amazon:関心が高い社会問題に対して明確な見解を示す

アメリカのIT大手Amazonは、率直な言葉と確かなデータを使用して、社会的な問題に対する自社の見解を、企業サイトで明確に示しています。

(この記事は、2020年6月2日に公開された記事「Amazon : Clear positions on contentious topics」の日本語訳です。)

Screen capture of Amazon's Our Positions page

The Site(実際に行われたこと)

巨大IT企業Amazonは、企業情報を掲載する「About Amazon」というサイトを設置していて、その「Our Company」カテゴリー内に「Our Positions(当社の見解)」というページを設けています。このページでは、冒頭で次のような文章を掲載しています。

「さまざまな社会問題に対する当社の見解を、お客様や投資家、政策立案者や従業員などの皆様に提示するため、このページを作成しました。当社の見解は慎重に考慮した上で発表していますが、健全な議論や意見の相違を受け入れる余地はあります。当社の見解を明確にすることが、何かのお役に立つのであれば幸いです」。

このリード文の下には11の段落があります。各段落では、まず社会問題に対するAmazonの見解を太字で示し、その後に説明文を掲載しています。

この説明文には、専門用語や頭字語がありません。ほとんどの見解を複数の事実と数字で補足しています。

The Takeaway(ここから得られる知識)

「当社の見解」というページは多くの企業サイトに存在しますが、Amazonのページはさまざまな理由から独特といえます。

理由の1つ目は、このページが典型的な企業責任の範疇を超えて、関心度が高い社会問題に正面から向き合っていること。しかも、国内外のコンセンサスが取れていない問題ばかりを取り上げています。

2つ目は、平易な英語を使用することで、一般的なユーザーと専門家が等しく、Amazonの見解を簡単に理解できるようにしていることです。

3つ目は、見解が明確であることです。それは、一部の企業サイトで見られるような、当たり障りのない「見解」や「約束」とは一線を画します。次の例には、それがよく表れています。「アメリカの連邦最低賃金は低すぎるため、引き上げる必要がある」。「連邦法に基づいて、偽造者にはより重い刑罰を科す必要がある」。

4つ目は、確かな事実と数値で、1つ1つの見解を手厚く補足していることです。

これらすべての理由から、Amazonの「当社の見解」は求職者やジャーナリスト、顧客をはじめとする幅広い訪問者にとって、有益で魅力的なページになっています。

このページには、見解を補足するような画像やその他のイメージ要素が使用されていません。これは意図的な判断であると思われます。しかし、議論されているテーマやデータの中には、図解が役立つものがあるかもしれません。

https://www.aboutamazon.com/our-company/our-positions

Zurich:オフィスビルをセールスポイントにする

スイスの大手保険会社Zurichは、グローバルWebサイトの「世界中のオフィス」というページで、各国にある自社オフィスの写真を掲載し、サステナビリティや従業員の健康に関するメッセージを巧みに結び付けています。

(この記事は、2020年5月19日に公開された記事「Zurich - Making a virtue of office buildings」の日本語訳です。)

Screen capture of Zurich's Offices Around the World page for New York

The Site(実際に行われたこと)

世界有数の保険会社Zurichは、グローバルWebサイトの「About us」カテゴリーの中で、「世界中のオフィス」というページを目立つ形で掲載しています。

そこには短い紹介文と概要を伝える動画があり、すぐ下に「ヨーロッパ・中東・アフリカ」「北アメリカ」「南アメリカ」「アジア・太平洋」という4つのタブメニューがあります。

そして、4つの地域から十数カ所の都市にあるオフィスを特集していて、それぞれに紹介文や概要データ、写真や動画などを掲載しています。

The Takeaway(ここから得られる知識)

企業がWebサイトで各国の拠点を紹介することはよくありますが、その多くは都市や町の娯楽や名所、文化などにフォーカスしています。

Zurichのように、自社オフィスを紹介するコンテンツは珍しいといえます。しかし、企業が次のようなユーザーを引き付けたい場合には、論理的な方法です。例えば、求職者と同じオフィスで働くことになる従業員、オフィスビルによって景観に影響がある周辺の住民、サステナビリティに関心があり、企業と地域の環境フットプリント※において、オフィスビルが大きく関わっていることを知っている人々、などです。

※環境フットプリント:製品や企業活動が環境に与えている負荷を示す指標

自宅で仕事をする人が増えている中でも、オフィスはアイデアを共有したり、同僚と知り合ったりするための拠点として、ビジネスライフの中心的な役割を担い続けるでしょう。

こうしたオフィスビルに関するコンテンツは、制作の良し悪しで簡単につまらないものになってしまいます。しかし、Zurichはコンテンツを簡潔に、見た目を魅力的に、そしてメッセージ性を高いものにしています。

このコンテンツには次のような主張すべきテーマがあり、その編集方針は明確です。「Zurichのオフィスビルはサステナブルで、従業員にとって有益です。そして、周辺コミュニティとのパートナーシップのもとに成り立っています」。

https://www.zurich.com/about-us/offices

Hydro:顧客への高品質なローカリゼーション

ノルウェーのアルミニウム製造大手Hydroは、訪問者に合わせて、適切な言語のWebサイトへ自動的に誘導しています。

(この記事は、2020年5月6日に公開された記事「Hydro: Expert customer localisation」の日本語訳です。)

Screen capture of Hydro's top-page

The Site(実際に行われたこと)

世界有数のアルミニウム製造会社Hydroは、公式サイト上に現地法人の連絡先を記載したパネルを置き、現地での活動情報とその詳細をリストで表示しています。

また、「製品とサービス」や「産業」などの顧客向けカテゴリーでは、現地で取り扱っている製品について適切な言語で説明しています。連絡を取りたい人向けには、目立つ問い合わせボタンを用意しています。問い合わせフォームではあらかじめ国名と製品オプションが選択されており、問い合わせ内容は確実に適切な担当部署に届きます。

The Takeaway(ここから得られる知識)

Hydroは、訪問者が効率的に問い合わせを完了できるよう、Webサイトをローカライズし、できる限り関連性が高くアクセスしやすい方法で、情報を提供しています。

すばやく簡単に問い合わせたい訪問者にとって、これは非常に便利です。問い合わせが担当者または担当チームへ適切に届くことは、訪問者からの信頼につながります。この方法は、おそらくHydro社内にも効果をもたらすはずです。

Hydroには英語だけではなく、1つまたは複数の現地語で書かれた資料を提供しているサイトが35もあります。外国からの訪問者には、こうしたローカライズはとても喜ばれることでしょう。これは素晴らしい取り組みです。

www.hydro.com

Comcast:求職者がTwitterで質問しやすくする

アメリカのケーブルテレビ大手Comcastは、採用サイトで担当者直通の問い合わせ先を掲載しています。

(この記事は、2020年4月28日に公開された記事「BC tip: Comcast - Encouraging jobseekers to tweet questions」の日本語訳です。)

Screen capture of Comcast`s recruitment website

The Site(実際に行われたこと)

Comcastは自身の採用サイトで、全ページのフッターのすぐ上に「質問はありますか? 常時オンラインで対応できます」という一文を掲載しています。

この見出しの後には「FAQをチェックするか、SNSで@ComcastCareersとつながってください」というキャプションが続きます。

そして、このキャプションには求職者向けFAQページへのリンクと、採用情報のTwitterアカウントへのリンクが含まれています。

Comcastは、このTwitterアカウントに投稿された求職者からの質問に、定期的に回答しています。

The Takeaway(ここから得られる知識)

Comcastは 採用コンテンツで、求職者が担当者に連絡する方法を、直接的かつ目立つ形で提示しています。

これには2つの利点があります。1つは、すべてのユーザーにオープンな社風を印象づけられること。もう1つは、応募書類や採用プロセスについて知りたい求職者が質問しやすくなることです。

FAQページへのリンクと併せて、人事担当者の連絡先を掲載することも、賢明な方法といえるでしょう。なぜなら、こうすることで人事担当者が同じ質問に何度も回答する必要がなくなるからです。

企業のWebサイトとSNSの役割は、競合するものではなくお互いに補完するものです。このComcastのやり方は、そうした組織的な企業コミュニケーション戦略によるメリットを、明確に示しています。

https://jobs.comcast.com/

Altria : アナリストの連絡先

アメリカの大手たばこメーカーAltriaは、自社の業績を予測する金融アナリストの、詳細な連絡先をWebサイトに掲載することで、自社の透明性を手軽に強調しています。

(この記事は、2020年4月21日に公開された記事「 Altria: Contacts for Analysts」の日本語訳です。)

Screen capture of analyst contact information on Altria`s corporate website

The Site(実際に行われたこと)

大手たばこメーカーAltriaは、グローバルWebサイトの「Investors」カテゴリーにある「Industry Analysts」というページで、外部の金融アナリストの連絡先を掲載しています。

このページでは、Altriaを担当しているグローバル企業13社の金融アナリストたちの、名前・電話番号・メールアドレスを掲載しています。彼らにはAltriaの業績に関して問い合わせることが可能です。

The Takeaway(ここから得られる知識)

このシンプルでありながら効果的な連絡先一覧からわかるように、投資家向け情報は、必ずしも高い費用をかけて作らなければならない、というわけではありません。

この連絡先一覧は、Altriaの投資家が金融アナリストに連絡したいときに役立ちます。また、投資家が会社に関する第三者の意見を、より深く調べるきっかけになります。ほかにも連絡先一覧の掲載は、投資家に向けて「この会社は透明性がある」というメッセージを送ります。

たった1つ残念なのは、金融アナリストの評価を掲載していないことです。とはいえ、忙しい投資家は、迅速な意思決定に役立つこの連絡先一覧を高く評価するでしょう。

https://www.altria.com

Mondelez International:ブランド(新しい) 沿革

アメリカの大手飲食品メーカーMondelez Internationalは、リニューアルしたグローバルWebサイトで、訪問者が最も目にするであろう場所に、ブランドの沿革を掲載しています。

(この記事は、2020年4月7日に公開された記事「Mondelez International : Brand new history」の日本語訳です。)

Screen capture of Mondelez International`s Oreo Cookie history page

The Site(実際に行われたこと)

アメリカで人気のお菓子ブランドをいくつも所有しているMondelez Internationalは、最近リニューアルしたグローバルWebサイトの「Our Brands」カテゴリーで、各ブランドの沿革を掲載しています。

「Oreo(オレオ:クッキー)」、「Philadelphia(フィラデルフィア:クリームチーズ)」、「Tang(タン:粉末ドリンク)」などのブランドページには「history (沿革)」というパネルがあり、ブランドの創設から現在までをインタラクティブなタイムラインで表現しています。

たとえば「Oreo (オレオ)」の場合、創設年である1912年には、次のテキストを掲載しています。 ―― 最初期のOreoは、ニューヨーク州マンハッタンのチェルシーマーケットベーカリーで生産し、缶で販売していました。

ほかにも、商品名の変更や新商品の販売開始、グローバル展開などの沿革を紹介しています。Oreoの沿革は2012年まで続き、その2012年には次のテキストを掲載しています。 ―― Oreoの100歳の誕生日を祝福します。そして、童心に戻ってお祝いしましょう。

The Takeaway(ここから得られる知識)

訪問者が最も見つけやすい場所に、企業の沿革などの魅力的なコンテンツを配置することは、とても良いアイデアです。

過去の実績を活用して、たとえば「私たちは独創的で、常に社会的責任を果たしてきました」というようなメッセージを発信したい企業にとって、ブランド沿革を掲載することは正しい手法といえます。

Mondelez Internationalの「Our Brand」カテゴリーにアクセスする顧客や求職者、そのほか訪問者の多くは、ブランドの沿革を探していないかもしれません。しかし、興味深い情報や有用な情報を、そこで見つける可能性があります。

ブランドの沿革を公開しても、一般的な企業の沿革が不要になるわけではありません。2つの沿革は、相互リンクを使って互いに補完し合うべきです。

https://www.mondelezinternational.com/

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