英国Bowen Craggs & Co.の許諾を得て、同社が運営するWebサイトの「BC Tips」から抜粋し、グローバルWebサイト事例に関する記事を翻訳してお届けします。

ミツエーリンクスではBowen Craggs社と提携し「グローバルWebサイトベストプラクティス調査」サービスもご提供しています。

Nike : 世界中のオフィスを魅力的に紹介

アメリカ最大手のスポーツ関連製品メーカーであるNikeは、求職者のために、情報量が豊富で視覚的にも魅力的な、世界各国のオフィス紹介ページを用意しています。

(この記事は、2021年6月30日に公開された記事「Nike: Sportswear in the world」の日本語訳です。)

Screen capture of Nike's Locations page

The Feature(特筆すべきこと)

Nikeのグローバル採用サイトには「働きたい街で働く」というメッセージを冠した「LOCATIONS」というカテゴリーを用意しています。

そのカテゴリーには概要ページと、5つのオフィスに関するページがあります。アメリカOregon州Beavertonのグローバル本部、New Yorkのアメリカ本社、オランダHilversumのヨーロッパ本部、ベルギーLaakdalのヨーロッパ物流センター、上海の中国本部という5カ所のオフィスです。

各オフィスのページでは、印象的な写真を複数掲載しているほか、「By the numbers」と題して、通勤時間、施設の生産量、従業員数、オフィス設備などの情報を、数値で分かりやすく紹介しています。

そして、福利厚生やそのオフィスで得られる恩恵に加え、現在募集中の職種などを掲載しています。

The Takeaway(ここから得られる知識)

Nikeの「LOCATIONS」カテゴリーにある各ページは、若い求職者に同社のブランドを訴求できるよう、巧みにデザインしています。

例えば、ヨーロッパ物流センターのページでは、オフィスがいかにサステイナブルであるか、という説明と美しい画像を融合し、Nikeの環境への取り組みを強調しています。

この1ページに豊富な情報をまとめたレイアウトは、企業の個性や理念を効率的かつ効果的に伝えることができる、優れた例といえるでしょう。

https://jobs.nike.com/locations

AMD : 豊富なコンテンツでCEO経歴ページに付加価値を

アメリカの大手半導体メーカーAMD(Advanced Micro Devices)は、CEOの経歴ページに、他社ニュースサイトのインタビュー記事へのリンク、ダウンロードできる宣材写真、Twitterフィードなど、さまざまなコンテンツを掲載し、その価値を高めています。

(この記事は、2020年6月14日に公開された記事「CEO biography bursting with extras」の日本語訳です。)

Screen capture of Lisa Su`s page

The Feature(特筆すべきこと)

1969年設立のAMDは、Webサイト内で自社の経営陣を個別ページで紹介しています。中でも、社長兼最高経営責任者であるリサ・スー氏のページには、次のような内容が含まれています:

  • Fortune、CNN、Bloombergなどの受賞歴と、それが確認できるWebサイトへの16個のリンク
  • リサ・スー氏が写った2種類の写真のサムネイルと、写真データ(低解像度・高解像度)のダウンロードリンク
  • その他の写真を多数掲載している、リサ・スー氏のフォトギャラリーへのリンク
  • Barron'sやWall Street Journalをはじめとする、さまざまな外部ニュースサイトが、リサ・スー氏を取り上げた記事や動画の一覧と、そこへのリンク
  • リサ・スー氏のTwitterフィード
  • 画面の上部で大きく引用している、AMDの重点分野と強みについて、リサ・スー氏が発信したメッセージ

The Takeaway(ここから得られる知識)

さまざまなコンテンツを掲載したAMDのCEO経歴ページは、並外れた価値をもたらしています。このことはいくつかの理由から、他社Webチームが見習うべきものだといえます。

まず、画像のダウンロードや最新記事へのリンクは、ジャーナリストが調査や取材をするのに役立つことでしょう。

次に、求職者や顧客、潜在的なビジネス・パートナーや投資家など、幅広い層の人々が、リサ・スー氏のTwitterフィードや外部ニュースサイトに掲載された記事や資料から、貴重な洞察を得ることができます。

最後に、外部サイトへのリンクを設置することで、テクノロジーやビジネスの世界におけるリサ・スー氏の評価に、AMDが自信と誇りを持っていることを印象づけています。そして、企業サイトだけでは言い表せないほどの彼女の言葉と業績に、信頼性を与えています。

https://www.amd.com/en/corporate/leadership-lisa-su

European Central Bank : 組織の存在意義を明確に伝える

欧州中央銀行(ECB)は、Webサイトの「About」カテゴリーのトップページで、何を主事業としているのか、どのような社会貢献をしているのかを簡潔に説明することで、銀行の評判を巧みに高めています。

(この記事は、2021年6月1日に公開された記事「ECB - Clarity of purpose」の日本語訳です。)

20210625_01.png

The Feature(特筆すべきこと)

ユーロ通貨圏19カ国の統一的金融政策を担っている欧州中央銀行(ECB)は、Webサイトにある「About」カテゴリーのトップページで、主要な活動の概要とともに、その責任のさまざまな側面について、掘り下げて説明しています。

ページ上部には「We keep prices stable and your money safe(私たちは、価格を安定させ、お客さまのお金を守ります)」という、ECBの主な役割が簡潔にまとめられています。

その左にある文章は、ECBの活動をさらに詳しく説明しています。「We do this so that you will be able to buy as much with your money tomorrow as you can today(私たちは、お客さまが明日も、今日と同じくらいのお金で、同じくらいのものが買えるよう、この活動を行っています)」。

そして、「インフレを抑制する」「銀行システムの安全性に貢献する」「ユーロ紙幣を開発・発行する」など、ECBの業務内容の要点を5つに絞って紹介しています。

The Takeaway(ここから得られる知識)

企業のWebサイトにはよくある「about」カテゴリーですが、そのトップページで「組織が何をしているのか」を明確に理解できることは珍しいと言えます。

企業や組織のWebチームが、意図して不明確なコンテンツを公開するはずはありません。しかし、社内の優先順位やさまざまな部門のプレッシャーによって、正確さや完全性が損なわれてしまうことは、よくあります。

恐らく、中央銀行という名前は聞いたことがあっても、何をしているかは知らない人が多いのではないでしょうか。

ECBは、このことを理解しています。その上で、オンライン・コミュニケーションへの戦略の基礎としているようです。

また、文章が非常に優れているおかげで、重苦しい雰囲気はなく、組織の「存在意義」が自然に伝えられています。

その結果、訪問者にもECBのステークホルダーにも、効果的な「about」ページとなっています。

https://www.ecb.europa.eu/ecb/html/index.en.html

Lockheed Martin : デスクトップ環境での音声検索

アメリカの航空宇宙・セキュリティ企業Lockheed Martinは、Webサイトに音声検索機能を搭載しました。

(この記事は、2020年5月17日に公開された記事「Lockheed Martin: Desktop voice search」の日本語訳です。)

Screen capture of Lockheed Martin's search box

The Feature(特筆すべきこと)

アメリカ・メリーランド州ベセスダに本社を置くLockheed Martinは、自社のWebサイトlockheedmartin.comに、サイト内検索機能を搭載しています。サイトのヘッダーにある虫眼鏡のアイコンをクリックすると、テキスト入力欄が表示されます。

そして、そのテキスト入力欄の右端には、企業のWebサイトでは珍しく、マイクのアイコンがあります。

このマイクのアイコンをクリックすると、マイクへのアクセス許可を求めるメッセージが表示されます。アクセスを許可すると、ユーザーは検索条件を口頭で入力できるようになります。

私たちはテストしましたが、音声検索はほぼ期待通りに動作しました。しかし、2つの単語で検索したときに、1つ目の単語を認識しない問題が何回か発生しました。

モバイル端末からのアクセスでは、検索入力欄の横にマイクのアイコンは表示されません。

The Takeaway(ここから得られる知識)

ほとんどのモバイル端末は、キーボード機能から音声入力ができるため、モバイル端末からのアクセスに、マイクのアイコンを表示する必要はありません。

まだ多くのユーザーは、デスクトップPCを使用する場合、検索条件を手作業で入力していると思われます。もし音声検索を追加すれば、デスクトップでもモバイルに近い体験を提供できるようになります。

音声検索は、デスクトップユーザーの時間を節約するだけではありません。キーボードを使えない、あるいは使いたくない人たちにも歓迎されるでしょうし、アクセシビリティの向上も期待できます。

導入コストが高くなく、サイト内検索機能が利用されているWebサイトであれば、音声検索の追加を検討する価値はあります。

この取り組みが一般化する前に導入した企業には、イノベーションとユーザーエクスペリエンスへの配慮という点で、ポジティブな印象を与えられるというメリットもあります。

https://www.lockheedmartin.com/

ASML : 複雑な技術を分かりやすく伝える

オランダ・フェルトホーフェンに本社を構える半導体製造装置メーカーASMLは、分かりやすい教育コンテンツで訪問者の業界理解を助けるとともに、同社の専門性と革新性に対する評価を高めています。

(この記事は、2021年5月4日に公開された記事「BC Tips : Communicating complex technology」の日本語訳です。)

Screen capture from ASML's website

The Feature(特筆すべきこと)

半導体露光機の市場で約8割のシェアを占めるASMLは、半導体サプライチェーンの要となる存在であり「あまり知られていないが、最も重要なハイテク企業」を自負しています。

ASMLは、最新技術を支えるマイクロチップの製造に欠かせない、露光による表面加工技術を提供しています。

世界16カ国に拠点を置き、26,000人以上の従業員を抱えるASMLは、2020年に140億ユーロの年間売上高を記録しました。

そのASMLは、Webサイトで「マイクロチップができるまで」というページを公開し、マイクロチップの複雑な製造工程の概要を、魅力的なテキスト、画像や動画、インフォグラフィックで紹介しています。

例えば次のような文章です。「マイクロチップの製造工程には何百ものステップがあり、設計から量産まで4カ月かかることもあります」。

ほかにも、最大で100もの層が重なり合っているマイクロチップを「小さな高層ビル」に例えています。

そして、製造現場に必要な空気のきれいさは「外気の約1万倍」であると説明しています。

さらに、同ページ内に「マイクロチップメーカーの種類」というコンテンツを用意し、半導体サプライチェーンを構成するマイクロチップメーカーの、事業形態の細かな違いについて簡潔にまとめています。

The Takeaway(ここから得られる知識)

ASMLは、Webサイト訪問者の多くが「ASMLは何をしている会社か」に関心があることを知っています。そして「マイクロチップができるまで」のようなコンテンツが、訪問者の関心に応える重要な役割を担うと考えています。

このコンテンツは、マイクロチップ製造に関する予備知識がないユーザーが読むことを前提として、編集をおこなっています。ユーザーが理解しやすいように要約や比較を巧みに利用しているほか、他企業サイトの「イノベーション」カテゴリーによくありがちな、専門用語や複雑な技術的表現を避けています。

これは、企業や業界を理解したい訪問者の役に立つコンテンツです。同時に、ASMLの専門性と革新性に対する評価も高めることでしょう。

1つ改善点を挙げるとすれば、コンテンツ内にあるインフォグラフィックは、参考情報の多さゆえに、デスクトップでもモバイルでも、スクロールしにくさを感じました。

他のテクノロジー企業も、自社製品やサービス、業界について説明する際は、同じようなアプローチを採用するべきだと思います。

また他の、たとえ面白みがないと思われている業界でも、適切な方法で紹介すれば、興味深く見てもらえるはずです。

https://www.asml.com/en/technology/all-about-microchips/how-microchips-are-made

Verizon : 企業のデジタルコミュニケーションにブロックチェーンを活用する

アメリカの大手通信事業者Verizonは、プレスリリースの信頼性を高めるために、ブロックチェーンの安全な台帳技術を活用しています。

(この記事は、2021年4月20日に公開された記事「BC Tips: Blocking misinformation」の日本語訳です。)

Screen capture of Verizon's news center

The Feature(特筆すべきこと)

Verizonは、Webサイトの「News Center」カテゴリーでプレスリリースを公開しています。そこの右カラムには目立つように「Full Transparency(完全な透明性)」を示すバッジを掲載しています。

このバッジは、同社がブロックチェーンを活用して「プレスリリース発表後に加えたすべての変更を、永続的に記録する」ことを保証しています。

Verizonは、2020年10月にこの取り組みを開始しました。

軽微な編集、統計情報の更新、事実関係の修正など、プレスリリースへの変更は、すべてブロックチェーンの安全な台帳に記録します。加えて、タイムスタンプを押して変更時刻も証明しています。

例えば、2020年10月に発表した、アメリカ東部・南部を襲った暴風雨への対応に関するプレスリリースは、これまでに何度か更新しています。ユーザーは、右カラムにある「View Changes」から、その変更履歴にアクセスできます。

Verizonは、この取り組みの基盤となる技術について、ホワイトペーパーを含め「News Center」で詳しく説明しています

The Takeaway(ここから得られる知識)

ブロックチェーンは、ビットコインをはじめとする暗号通貨と密接に関連している技術で、現在はビジネスや政府組織でも広く利用され始めています。

Verizonの取り組みは、企業のオンライン・コミュニケーションにおいて、信用と信頼を確立するためにブロックチェーンを活用した好例といえます。

プレスリリースへの変更が、ブロックチェーンによって客観的に保証され、外部から確認できるこの仕組みは、特にメディアや規制当局、政策立案者などから関心を集めることでしょう。Verizonにとっても、自社が透明性と開放性を重視していることを、より広く伝えるメッセージとなるはずです。

また、フェイクニュースや誤報、SNSの炎上であふれかえる今、この事例は「唯一の真実」を追求してきた企業にとって、さらに幅広い活用に向けた興味深い第一歩となるでしょう。

https://www.verizon.com/about/news-center

AMD : 充実した実績データを、目立つ形で配置する

アメリカの半導体メーカーAdvanced Micro Devices(以下、AMD)は、社会・環境・財務報告に関する情報を、Webサイト上でわかりやすくまとめています。

(この記事は、2021年4月6日に公開された記事「BC Tips : Prominent and plentiful ESG data」の日本語訳です。)

Screen capture of AMD data tables

The Feature(特筆すべきこと)

半導体大手のAMDは、Webサイト内にあるCorporate Responsibilityというカテゴリーのトップページで、過去3年間の主要な財務および非財務指標に関する実績データの概要を、表形式で掲載しています。

この表には「従業員のボランティア時間」「女性従業員の割合」「水の使用量」などのESG(社会的責任投資)指標に加えて「総売上高」や「純利益」などの財務指標も含まれています。

さらに「仕入れ先の数」など、「サプライチェーン」に関する指標も含まれています。

表の最下部にある「complete data tables」というリンクをクリックすると、詳細データを閲覧できます。そこでは過去7年間の「労働」「環境」「財務」に関する実績データを、1つのページにまとめて掲載しています。

そして、冒頭にページ内リンクを設置して「労働」「環境」「財務」の各データにすばやくアクセスできるようにしています。


The Takeaway(ここから得られる知識)

AMDの財務および非財務指標に関する実績データの公表には、3つの強みがあります。

1つ目は、財務および非財務指標に関する実績データを、集計してから提供していることです。CSRや投資などのアナリストにとって、調査や推奨する際に実績データを参照しやすくなります。このところ人数が増え続けているアナリストたちは、このことを高く評価するでしょう。

2つ目は、Corporate Responsibilityのトップページに、実績データの概要を表形式で直接掲載していることです。これにより、すべての訪問者がAMDの実績データを簡単に見つけられます。

3つ目は、実績の詳細データへのリンクを設置していることです。これにより、詳しい情報を求めている訪問者は、容易にアクセスできます。

PDFファイルによるデータ提供は、詳しい情報を確認したいアナリストがじっくり目を通すのに適しています。一方で、AMDのように実績データの概要を直接Webサイトに掲載すると、一般的なユーザーの目に触れやすくなります。

もし、このデータがExcel形式でダウンロードできるようになれば、さらに良いでしょう。

https://www.amd.com/en/corporate-responsibility

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