英国Bowen Craggs & Co.の許諾を得て、同社が運営するWebサイトの「BC Tips」から抜粋し、グローバルWebサイト事例に関する記事を翻訳してお届けします。

ミツエーリンクスではBowen Craggs社と提携し「グローバルWebサイトベストプラクティス調査」サービスもご提供しています。

Home Depot : 求職者に職場での新型コロナウイルス予防策を開示

アメリカのホームセンター大手Home Depotは、採用情報と一緒に、アイコンを使った「新型コロナウイルスの予防策」を公開し、求職者に安心感を与えています。

(この記事は、2021年9月15日に公開された記事「Home Depot: Making a statement on Covid precautions」の日本語訳です)

Screen capture of Home Depot's job information

The Feature(特筆すべきこと)

北米で2300以上の店舗を運営しているHome Depotは、Webサイトの採用情報ページに、それぞれの職場が取り組んでいる「新型コロナウイルスの予防策」を明示したアイコンパネルを追加しました。

この予防策のパネルは、福利厚生情報の下に配置しています。そして、どちらの情報もアイコンを活用して、わかりやすくまとめています。

当社が調べたところ、コーポレート業務・店舗スタッフ・流通など全ての職務で、このアイコンを活用していました。

The Takeaway(ここから得られる知識)

これは、職場の新型コロナウイルス対策という、将来の従業員たちが特に知りたい情報を、企業が職務記述書の中で明確に示している好例です。

Home Depotの方針は、例えば新卒の応募者を心配するご両親など、求職者本人はもちろん、一緒に住むご家族や周囲の人たちにも、安心感を与えることができます。

そして、いくつもの予防策でスタッフを大切にしている事実は、Home Depotがお客様の健康を大切に考えている、というメッセージにもつながります。

他のステークホルダーも、この透明性を高く評価しているようです。

また、このアイコンはデザイン的にも非常に優れています。

なお、Home DepotのSNSアカウントに投稿されたコメントを見ますと、同社のマスク着用に関する方針を理由に、応募を取りやめた人もいるようです。この取り組みは、同社の方針と合わない求職者をあらかじめふるいにかける作業の、リソース節約にもつながっているようです。

https://careers.homedepot.com/job-search-results/

Morgan Stanley : 銀行内の専門家によるインタビュー

世界的な金融機関グループMorgan Stanleyは、社内の専門家がホストを務めた、説得力のあるリモート・インタビュー動画を連載しています。

(この記事は、2021年8月10日に公開された記事「Morgan Stanley: In-house interviewers」の日本語訳です)

The Site(特筆すべきこと)

ニューヨークに本拠を置くMorgan Stanleyは、Webサイトでインタビュー動画を連載しています。動画には、各業界の著名人と事情に精通したホスト役の社員が、リモートで対談している様子を収録しています。

最近では、次のようなインタビュー動画を公開しました。

  • 物流施設を所有・運営・開発する、世界有数の不動産会社PrologisのCEO、Hamid Moghadan氏へのインタビュー「物流の未来にあるもの」。ホストは、株式アナリストVikram Malhotra氏です。
  • 情報通信・メディア大手ComcastのCEO、Brian Robertsへのインタビュー「激化するメディア事情」。ホストはメディアリサーチ部門の責任者、Benjamin Swinburne氏です。
  • 家具量販大手IKEAのCEO、Jesper Brodin氏へのインタビュー「サステナビリティーの目的と利益」。ホストはサステナビリティー部門長、Audrey Choi氏です。

The Takeaway(ここから得られる知識)

Morgan Stanleyが公開するインタビュー動画のシリーズは、世界的大企業の著名で説得力がある人物が出演しているため、魅力的な内容になっています。

さらに、Morgan Stanleyのリーダーや専門家がインタビュアーを務めることで、動画に会社の世界観を反映させています。

このインタビュー動画の目的は「Morgan Stanleyは、ソート・リーダーシップの発信源である」という評価を高めることです。さらに、ほぼ全てのコミュニケーション・ゴールに向けたアプローチとしても、効果をもたらしています。

このインタビュー動画は、別々の場所で撮影したにもかかわらず、編集によってあたかも対面インタビューのように感じられます。これは、高い費用をかけなくても、良いものが作れるという好例です。

https://www.morganstanley.com/ideas

Central Intelligence Agency : 機密性が高い組織のInstagram活用

アメリカの政府機関である中央情報局(CIA)は、採用活動や評判を高めるために、Instagramで独特な存在感を示しています。

(この記事は、2021年7月28日に公開された記事「Central Intelligence Agency : Instagram in a secret culture」の日本語訳です。)

Screen capture of the CIA's Instagram page

The Feature(特筆すべきこと)

アメリカの対外情報機関である中央情報局(CIA)は、Instagramのアカウントを持っています。同局のWebサイトでは、Facebook、Twitter、LinkedIn、YouTube、Flickrといった他のSNSとともに、リンクアイコンを並べて配置しています。

CIAは2019年にInstagramのアカウントを開設し、現在そのフォロワー数は39万人以上にものぼります。

「Pride 2021」「Interns with Impact」「CIA Scholarship Program」「Careers」「Resources」など、ページ上部に並ぶさまざまな「ストーリー」のタイトルから、このアカウントは採用に焦点を当てていることがわかります。

投稿頻度は安定していて、月に数回、動画や写真を投稿しています。

最近の投稿には、中途採用者の自己紹介、世界最大のLGBTQイベントを祝福する画像、CIAの宣誓を多言語で行う職員の動画などがあります。

The Takeaway(ここから得られる知識)

CIAはInstagramアカウントの存在意義を明確に示しています。それは、潜在的な若い求職者の間でCIAの評判を高めることであり、CIAのリーダーたちもアカウント開設時にこの点を強調しています。

おかげでアカウント管理者は、何を投稿し、何を投稿しないかを判断しやすくなっています。

画像は特徴的で、ほとんどの人物写真はカメラに背を向けていたり、横を向いたりしています。

文章のスタンスは、愛国的でありつつ極端なナショナリズムには陥らない論調で、CIA職員とそのストーリーに重点を置いています。

そして、同じく採用に注力している同局のWebサイトと、巧みに連携しています。

もし今後CIAがInstagramで、さらに深くまで組織内文化を発信できたならば、どんなに秘密主義的な大企業あっても、アカウント作成を検討できるはずです。

https://www.instagram.com/CIA/

Valmet : 投資家向けBlogの長所と短所

フィンランド・エスポーに本社を置くValmetは、投資家向けBlogを運用しています。堅さのないBlogは投資家にとって良い情報源ですが、IRチームはそれを定期的に更新しなければなりません。

(この記事は、2021年7月13日に公開された記事「Valmet: Blogging for investors」の日本語訳です)

screenshot of Valmet's investor blog

The Feature(特筆すべきこと)

紙・パルプ・エネルギー関連の技術・サービスを取り扱い、2013年にメッツォグループから分離独立したフィンランドのValmetは、投資家向けのBlogを運用しています。このBlogは同社のIR担当者が書いています。

最近は、次のようなテーマで投稿しています。「サステナブルな繊維生産におけるValmetの役割」、「市場に好影響を与えた第1四半期の決算報告」、「Capital Markets Day(投資家向け情報共有イベント)の重要メッセージ」などです。

The Takeaway(ここから得られる知識)

Blogは、投資家やジャーナリストなど、投資の観点から企業をフォローしている人たちに、定性的な情報を柔軟な形で伝えられる手法です。

また、開示性や透明性のほか、投資家への情報提供のために、企業が一歩踏み込んだ努力を続けていることを、伝える手段としても優れています。

問題は、他のBlogと同様に、一度開始すると定期的に更新しなくてはならず、運用の負担がかかることです。

ValmetのBlogは賛否が分かれるところです。通常、月1回のペースで投稿していますが、昨年10月末から今年2月初めにかけて投稿がありませんでした。この時期は繁忙期で、IRチームは忙しかったのでしょう。

おそらく、多くのIRチームがBlog開設を見送る理由は、この時間的な負担にあるのではないかと思います。

https://www.valmet.com/investors/investor-relations/ir-directors-blog/

Nike : 世界中のオフィスを魅力的に紹介

アメリカ最大手のスポーツ関連製品メーカーであるNikeは、求職者のために、情報量が豊富で視覚的にも魅力的な、世界各国のオフィス紹介ページを用意しています。

(この記事は、2021年6月30日に公開された記事「Nike: Sportswear in the world」の日本語訳です。)

Screen capture of Nike's Locations page

The Feature(特筆すべきこと)

Nikeのグローバル採用サイトには「働きたい街で働く」というメッセージを冠した「LOCATIONS」というカテゴリーを用意しています。

そのカテゴリーには概要ページと、5つのオフィスに関するページがあります。アメリカOregon州Beavertonのグローバル本部、New Yorkのアメリカ本社、オランダHilversumのヨーロッパ本部、ベルギーLaakdalのヨーロッパ物流センター、上海の中国本部という5カ所のオフィスです。

各オフィスのページでは、印象的な写真を複数掲載しているほか、「By the numbers」と題して、通勤時間、施設の生産量、従業員数、オフィス設備などの情報を、数値で分かりやすく紹介しています。

そして、福利厚生やそのオフィスで得られる恩恵に加え、現在募集中の職種などを掲載しています。

The Takeaway(ここから得られる知識)

Nikeの「LOCATIONS」カテゴリーにある各ページは、若い求職者に同社のブランドを訴求できるよう、巧みにデザインしています。

例えば、ヨーロッパ物流センターのページでは、オフィスがいかにサステイナブルであるか、という説明と美しい画像を融合し、Nikeの環境への取り組みを強調しています。

この1ページに豊富な情報をまとめたレイアウトは、企業の個性や理念を効率的かつ効果的に伝えることができる、優れた例といえるでしょう。

https://jobs.nike.com/locations

AMD : 豊富なコンテンツでCEO経歴ページに付加価値を

アメリカの大手半導体メーカーAMD(Advanced Micro Devices)は、CEOの経歴ページに、他社ニュースサイトのインタビュー記事へのリンク、ダウンロードできる宣材写真、Twitterフィードなど、さまざまなコンテンツを掲載し、その価値を高めています。

(この記事は、2020年6月14日に公開された記事「CEO biography bursting with extras」の日本語訳です。)

Screen capture of Lisa Su`s page

The Feature(特筆すべきこと)

1969年設立のAMDは、Webサイト内で自社の経営陣を個別ページで紹介しています。中でも、社長兼最高経営責任者であるリサ・スー氏のページには、次のような内容が含まれています:

  • Fortune、CNN、Bloombergなどの受賞歴と、それが確認できるWebサイトへの16個のリンク
  • リサ・スー氏が写った2種類の写真のサムネイルと、写真データ(低解像度・高解像度)のダウンロードリンク
  • その他の写真を多数掲載している、リサ・スー氏のフォトギャラリーへのリンク
  • Barron'sやWall Street Journalをはじめとする、さまざまな外部ニュースサイトが、リサ・スー氏を取り上げた記事や動画の一覧と、そこへのリンク
  • リサ・スー氏のTwitterフィード
  • 画面の上部で大きく引用している、AMDの重点分野と強みについて、リサ・スー氏が発信したメッセージ

The Takeaway(ここから得られる知識)

さまざまなコンテンツを掲載したAMDのCEO経歴ページは、並外れた価値をもたらしています。このことはいくつかの理由から、他社Webチームが見習うべきものだといえます。

まず、画像のダウンロードや最新記事へのリンクは、ジャーナリストが調査や取材をするのに役立つことでしょう。

次に、求職者や顧客、潜在的なビジネス・パートナーや投資家など、幅広い層の人々が、リサ・スー氏のTwitterフィードや外部ニュースサイトに掲載された記事や資料から、貴重な洞察を得ることができます。

最後に、外部サイトへのリンクを設置することで、テクノロジーやビジネスの世界におけるリサ・スー氏の評価に、AMDが自信と誇りを持っていることを印象づけています。そして、企業サイトだけでは言い表せないほどの彼女の言葉と業績に、信頼性を与えています。

https://www.amd.com/en/corporate/leadership-lisa-su

European Central Bank : 組織の存在意義を明確に伝える

欧州中央銀行(ECB)は、Webサイトの「About」カテゴリーのトップページで、何を主事業としているのか、どのような社会貢献をしているのかを簡潔に説明することで、銀行の評判を巧みに高めています。

(この記事は、2021年6月1日に公開された記事「ECB - Clarity of purpose」の日本語訳です。)

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The Feature(特筆すべきこと)

ユーロ通貨圏19カ国の統一的金融政策を担っている欧州中央銀行(ECB)は、Webサイトにある「About」カテゴリーのトップページで、主要な活動の概要とともに、その責任のさまざまな側面について、掘り下げて説明しています。

ページ上部には「We keep prices stable and your money safe(私たちは、価格を安定させ、お客さまのお金を守ります)」という、ECBの主な役割が簡潔にまとめられています。

その左にある文章は、ECBの活動をさらに詳しく説明しています。「We do this so that you will be able to buy as much with your money tomorrow as you can today(私たちは、お客さまが明日も、今日と同じくらいのお金で、同じくらいのものが買えるよう、この活動を行っています)」。

そして、「インフレを抑制する」「銀行システムの安全性に貢献する」「ユーロ紙幣を開発・発行する」など、ECBの業務内容の要点を5つに絞って紹介しています。

The Takeaway(ここから得られる知識)

企業のWebサイトにはよくある「about」カテゴリーですが、そのトップページで「組織が何をしているのか」を明確に理解できることは珍しいと言えます。

企業や組織のWebチームが、意図して不明確なコンテンツを公開するはずはありません。しかし、社内の優先順位やさまざまな部門のプレッシャーによって、正確さや完全性が損なわれてしまうことは、よくあります。

恐らく、中央銀行という名前は聞いたことがあっても、何をしているかは知らない人が多いのではないでしょうか。

ECBは、このことを理解しています。その上で、オンライン・コミュニケーションへの戦略の基礎としているようです。

また、文章が非常に優れているおかげで、重苦しい雰囲気はなく、組織の「存在意義」が自然に伝えられています。

その結果、訪問者にもECBのステークホルダーにも、効果的な「about」ページとなっています。

https://www.ecb.europa.eu/ecb/html/index.en.html

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