2021年12月10日 The Bowen Craggs Indexに見るデジタルコミュニケーションの最新トレンド(特別寄稿)

Senior Consultant and Director of Editorial, Bowen Craggs & Co.
Jason Sumner

11月、Bowen Craggs社は、コーポレート・デジタル・コミュニケーションにおける世界のベスト30社のランキング(The Bowen Craggs Index)を発表しました。今年明らかになったのは、ランキングの上位に位置する企業が、より大胆かつ率直にコミュニケーションを図っているということです。「大胆」とは、気候変動のような関心度が高い社会問題について、かつてないほど積極的に発言していることを意味します。また、コミュニケーションの方法も説得力があり、より率直かつ詳細な書き方になっています。

これは、イギリスの石油大手BPとスイスの食品・飲料大手Nestléが同点で1位となり、280点満点中226点を獲得したことからも明らかです。BPは、より透明性を高めるために、CEOによる社内向けコミュニケーションを外部と共有する方法をとっている点が革新的です。Nestléは、同社の「ネットゼロ(温室効果ガスの排出量の実質ゼロ化)」計画に関する企業サイトやSNSアカウントでのコミュニケーションが、具体的で透明性が高く、根拠に基づいている点が際立っていました。

NestléとBPのWebサイトは全く異なりますが、いくつかの成功要因が共通しています。その一つが、両社の継続的な改善への取り組みです。多くの企業は、Webサイトを1回限りのプロジェクトと考え、継続的な投資はほとんど必要ないと考えています。これでは、コンテンツがすぐに古くなり、ベストプラクティスに追随できなくなるため、うまくいきません。

NestléとBPは、常に磨きをかけて改善しています。例えばNestléは、ジャーナリスト向けのプレスリリースサービスについて小さいながらも重要な改善を行い、「ジャーナリスト向けコンテンツ」指標のスコアを押し上げました。BPは、金融機関アナリスト向け情報・コンテンツを改善しました。これらの企業は、ランキングの他の企業と明確に差をつけています。指数3位の製薬大手GSKは、これらのトップ企業と12ポイントの差があります。

The Bowen Craggs Indexは、世界の時価総額上位200社の企業のデジタルコミュニケーションを評価するものです。毎年、このリアルタイムランキングのトップ30のリストを発表しています。Bowen Craggsの手法は、8つのメインメトリクスと26のサブメトリクスでユーザビリティとエディトリアルマテリアル・サイトコンテンツを測定します。この方法論は、Bowen Craggs社独自の専門家による分析と、10年分の訪問者調査および分析データに基づいています。

その他の上位30社についても、共通の成功要因がありました。多くの企業が、環境・社会・ガバナンス(ESG)報告に対して、より洗練されたアプローチをとっていました。上位10社のうち、イギリス金融大手HSBC、アメリカの大手通信事業者Verizon、オランダ発祥の総合金融機関INGの3社は、2021年にESG報告を改善し、その結果ランキングで上位に入りました。

「The best get better(上位はさらに良くなる)」は昨年の報告書の重要な傾向でしたが、このパフォーマンスの上昇傾向は2021年も続きました。全体のトップスコアが224点から226点へと2点上昇しただけでなく、トップ30に入るためのしきい値となるスコアも3点上昇しました。2020年には、企業は191点を獲得すればトップ30に入ることができましたが今年のしきい値は194点でした。

今年のランキングでは、3つの企業が新たにトップ30にランクインしました。ノルウェーのアルミニウムと再生可能エネルギーに関する事業を行っているNorsk Hydroは、顧客向けの印象的なソートリーダーシップ資料で注目されています。サウジアラビア王国の国有石油会社AramcoのWebサイトには優れた沿革コンテンツがあり、豊富な企業情報が掲載されています。さらに、同社はSNSアカウントを上手に活用して、Webサイトの認知度を高めています。イギリス・ロンドンに本社を置く保険会社Avivaは、同社のサイトのユーザビリティとメッセージングを大きく進化させました。

最後に、The Bowen Craggs Indexの上位企業は、企業のデジタルチャネルを利用して、顧客や投資家や求職者などの各ステークホルダーに、彼らが関心を持っている問題について直接伝えています。Bowen Craggs社の企業サイト訪問者調査によると、企業サイトを訪れる人のほとんどは、最初からその企業に対して好意的な印象を持っていることがわかります。適切な情報や魅力的なコンテンツを提供し、シームレスなユーザーエクスペリエンスを実現すれば、ランキングの上位企業のように、信頼の基盤をもとに認知度を向上させることができるのです。

英文「Making your corporate digital communications more persuasive and compelling: Learning from the leaders in the Bowen Craggs Index (Special Contribution)