#29「初心者向けWebアクセシビリティの学び方」

Webアクセシビリティをこれから学習しようと思っている方へ、どんな風に学習したら挫折せずに学習できるのか、アクセシビリティ部の南くんをゲストにお迎えして「初心者がアクセシビリティを学習する方法」について聞きました。

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古川
こんにちは!
こんにちは!
古川
ミツエーテックラジオは、株式会社ミツエーリンクスのスタッフが、Webデザイン、 WebフロントエンドなどのWeb技術に関するニュースやツールをシェアするためのポッドキャストです。
今回はゲストにアクセシビリティ部の南くんをお迎えしてお話をしていこうと思います!じゃあ南くん自己紹介お願いします!
はい。アクセシビリティ部ディレクターの南と申します。簡単に自己紹介させていただきますと、普段の業務は、ディレクターとしてお客様のWebアクセシビリティの課題解決のご支援をしたり、社外ではウェブアクセシビリティ基盤委員会の委員として活動しています。本日はどうぞお手柔らかによろしくお願いします!
古川
はい、じゃあもうさっそくなんですけど、今日のテーマについて教えていただければと思います。
はい。ズバリ今日のトピックはですね、「初心者向けWebアクセシビリティの学び方」というテーマでお話したいと思います。
古川、南
はい。じゃあよろしくお願いします。
さて、早速なんですけど、古川さんはWebアクセシビリティって言葉は聞いたことがありますか?
古川
いやぁまぁ、そりゃあもちろん、こう…すごいざっくり言うと「みんながWebを使えるようにすること」です!
あぁ~、模範解答でいいですね。Webアクセシビリティは当社ミツエーリンクスが、Webコンテンツにおける最重要品質の1つだと考えている品質でもあるんですけど、ではここでもう1つ質問なんですが、古川さんはWebアクセシビリティってどうやって学ばれましたか?
古川
うーんそうですね、専門学校卒なので、学校で基礎を学んだ上で、入社してから実践を通して知識を深めてったって感じです。
あぁーなるほどなるほど。古川さん含めテックラジオに出演されている当社のスタッフの方は、かなり技術に詳しい方もいらっしゃるので、Webアクセシビリティ知ってて当然というところもあるとは思うんですけれども、例えば、最近Web担当者になりましたという方や、Webディレクター、デザイナー、エンジニアになったばかりです!もしくは、そういった職種を目指しています!といった方には、Webアクセシビリティという言葉を聞いたことない人もいると思うんですよね。
古川
うーんまぁそうですね。以前と比べるとだいぶ意識が向いてきている感じはあるんですけど、まぁそれでも知らない人はたくさん居ると思います。
そうですよね。なので、今日、お話したいのはWebアクセシビリティの学び方についてご紹介できればと思ってます。
古川
ちなみに、今日のテーマって実は南くんから発案いただいたものなんですけど、そもそもなんで「学び方」について取り上げようと思ったんでしょう。というのも、さっき話してた「Webアクセシビリティ」っていう単語を知らない人って、どういう目的で学習したらいいのかな?って思って。
やっぱり重要なのはその学ぶモチベーションですよね。個人的な意見としては、自分が作ったWebサイトのアクセスを最大化できるっていうところに、魅力があるんじゃないかなっていう風に思っていますね。
古川
うーん…もうちょっと詳しく言うと?
今の時代、色んな状況で、色んなデバイスから、色んなユーザーがWebサイトにアクセスできるわけじゃないですか。その中で、Webアクセシビリティの品質が高いほど、「いつでも」「どこでも」「誰でも」使えるWebサイトになるんですよ。
で、Webの本質的な価値ってなんやっけなぁって考えてみると、Web上のコンテンツにすべての人が当たり前にアクセスできて、当たり前のように使えるっていうことじゃないですか。
そういう「誰もが使える」という本質的な価値が備わったWebサイトを作るためには、もうWebアクセシビリティを学ぶしかないと思っています。
古川
あー、こうWebサイトの本質的なところを実現するために、Webサイト作るんだったらまずWebアクセシビリティ知っとけよ、みたいな。
すごい雑ですけど、言うたらそんな感じですかね。自分も最初、まったく知識がないところから入ってWebアクセシビリティ勉強するのにめちゃくちゃ苦労したんで、どうしたらもっとわかりやすくWebアクセシビリティ勉強できるんかなってずっと考えてたんですよ。
古川
うーん…やっぱ、WCAGとかJISとかの、ガイドラインを読む感じですか?
あーそうですね。ちょっとこういきなり横文字でびっくりした方に説明すると、古川さんがいま言ってくれたのはいわゆるWebサイトのWebアクセシビリティ品質高めたい!といった時に、何をすれば品質が高くなるのかっていうのを手引きしてくれるガイドラインのことなんですね。
まあ、Webアクセシビリティに興味・関心を持たれた方はほとんどの人が、このガイドラインにたどり着くことになると思っています。
ただ、このガイドラインの中には、満たすべき項目を「達成基準」として書かれているんですけど、この達成基準の書きっぷりが結構抽象度が高い内容なんですね。それは、そもそもWCAGの達成基準が特定の技術に依存しないものとして書かれているっていうのが影響しています。
古川
あー、まぁたとえば画像のこととかを非テキストコンテンツって表現されてたりとか、けっこう言い回しがわかりにくくて、やっぱ今でも自分が読んでてたまに「ん??」ってなっちゃうんですよね。
そうなんですよ。僕が最初Webアクセシビリティ学んでいこうとした時に、ガイドラインの内容が理解できなかった時は、心が折れてもうてやっぱ勉強やめてしまいたいなと思ったりもしたことがありますね。
古川
えー、じゃあこれどうやって勉強したらいいんですかね…写経ですか?
断じて、写経ではないですんですけど(笑)古川さん、安心してください。
今日の本題はWebアクセシビリティの学び方ですからね。ご紹介しますよ、とっておきの方法を。その方法とは「eラーニングで学ぶ」っていうやり方ですね。
古川
えー「eラーニングで学ぶ」ですか?
はい、そうです。ちなみに古川さんは何かeラーニングのサービスって使ったことはありますか?
古川
うーんまあ、身近なとこでいうと動画サイトがパッと浮かぶんですけど、たとえばUdemyとかドットインストールとかですかね?まぁけっこう挙げるときりがないですけど。
そうですよね。やはりコロナの影響もあって、eラーニングの市場規模ってどんどんどんどん拡大していっているんですよね。ちなみに、その中で、マイクロラーニングって言葉を聞いたことはありますか?
古川
なにそれ、初めて聞きました。
eラーニングって色々あったと思うんですけど、動画を使ったeラーニングのイメージって一時間とかそれくらいの尺の動画を見るっていうスタイルだったと思うんですけど、 マイクロラーニングというのは、細かいテーマに区切られた3分から10分程度の短い動画とか音声とかを視聴する学び方なんです。 例えば、このテックラジオあるじゃないですか。これも、個別に色んなテーマを扱っていて、それぞれの回は短い尺でまとまっているっていうマイクロラーニングの一種に分類されるものだと思っています。
古川
あー、まぁ、言われてみるとまぁ確かにそんな感じがします。
そうなんですよ。で、1時間とかの長い尺の動画は特定のテーマについて、色んな情報が詰め込まれていたりするんですね。例えば、「Webアクセシビリティの基本」っていうタイトルの動画があったとすれば、1時間の中に「アクセシビリティとは」のような言葉の定義から始まって、WCAGとかのガイドラインの解説とか、達成基準の解説とか、とにかくWebアクセシビリティの基本的な内容が幅広く押さえることができるように作られているんですよ。
古川
マイクロラーニングは、そういう長い尺の動画とは何が違うんですか?
いい質問ですね。マイクロラーニングは、そういった長尺の動画にギュッと詰め込まれている内容を、1つ1つ細切れにして動画化することなんですよね。そうすることによって、人によって学ぶことが選択できる点が大きく異なります。例えば、Webアクセシビリティで代表的な問題として挙げられることが多い「代替テキスト」を1つとっても、図版の代替テキストの作り方を知りたい人もいるでしょうし、地図の代替テキストの作り方を知りたい人もいる。マイクロラーニングの利点っていうのは、一人一人に合った効率的な学びができるっていう点にあるんですね。
古川
たとえばWeb制作って、役割とか職種によって業務の内容も変わりますけど、そうすると、人によって必要な知識だったりとか、まぁ知っておかないといけないことが違うから、細分化されてる動画から自分が欲しい情報だけをピックアップできるってことですね。
まさしくそこなんです。他にもたとえば、業務の中で「あれ、これどうやっけ?」と思うときあるじゃないですか。それを単語を調べるような感覚で、その疑問を解消するために動画を見るっていうこともできるんです。
古川
あぁ~こうマイクロラーニングめっちゃいいやん、っていうのはわかったんですけど、そのマイクロラーニングとWebアクセシビリティっていうのは、どういう関係があるんですか。
例えば、先ほど話に出てきたWCAGなどのガイドラインには満たすべき品質の基準として「達成基準」があるよっていうお話をしたんですけど、現在世界中で広く使われているWCAG 2.1の達成基準の項目数って全部で78個あるんですね。これって全部いっぺんに勉強するのってしんどいじゃないですか。
古川
うん、まぁそうですね。まあ、理想を言えば網羅的に学習して理解するのがいいとは思うんですけど、やっぱり日々忙しいと、まとまって時間って取れないです。
そうですよね。なんで、わからないところが出てきたら都度学んで解消するっていうやり方とかの方が現実的だと思うんですね。しかも、そういうときに、書籍などの本を活用して学ぶこともできるんですけど、短い動画でサッと見て学べるとしたら、動画を見て学ぶっていう人が多いんじゃないかなっていう風に思っています。そういうときに、マイクロラーニングっていうのはぴったりなんですよね。
古川
なるほど、わからないところをさくっとピックアップして学習するってことですね。
その通りです。ちなみに、こっからは余談なんですけど、ミツエーリンクスでも企業向けのeラーニングのサービス「e-Links」っていうのをリリースしたんですよ。
古川
えっ、宣伝?
いやいやちょっとした、ちょっとした紹介ですよ。e-LinksにはWebアクセシビリティのコンテンツがあるんですけど、実はマイクロラーニングの構成になってるんですよね。それで、一部、無料公開してるコンテンツもあるんで、ぜひWebアクセシビリティの学び方としてマイクロラーニングの魅力っていうのをリスナーのみなさんにも体験していだきたくて。
古川
なるほど。たしか「Web担当者向けアクセシビリティ基本」っていうコンテンツですよね。ざっと眺めてみると1本が大体平均5分ぐらいで、さくっと学べそうな感じがします。
そうですね。ありがとうございます。「Web担当者向けアクセシビリティ基本」の動画を全部見たら大体70分くらいで、通常のセミナー1本分くらいの尺になります。で、ただいま絶賛無料公開中ですので、ぜひともご視聴ください!実は僕も講師として出てます!
古川
おぉーマイクロラーニングの効果をちょっと体感してみたいのと、まぁ南くんも見たいんで、ぜひ視聴してみます!
ありがとうございます!
古川
はい、というわけでアクセシビリティの学び方について話してきたんですけど、まとめると、初心者のWebアクセシビリティの学び方は、マイクロラーニングを活用して継続的に学ぶって感じですかね。
そうですね。継続してWebアクセシビリティを学ぶことで「誰もが使えるWebサイト」っていう理想形に近づけるのかなと思ってます。で、継続して学び続けるためには、わからないことがあったらサッと疑問を解消していくことが重要かなと思ってます。マイクロラーニングのように、動画一本一本が細かく分かれていると、本当に必要なところだけを学んでいけますし、そういった学びを積み重ねることも大事かなって思ってます。昔から、千里の道も一歩から、といいますけれども、まぁさしずめね、Webアクセシビリティの学びにおいてはですね、千里の道も一本より、といったところですかね。動画だけに。
古川
いやぁーまぁこれはまさしく、一本取られましたね!
お!お後がよろしいんじゃないでしょうか!
古川
はい、じゃぁまぁオチもついたところで、いやー、初心に返った気持ちになりました。南くん、今日はありがとうございました。
ありがとうございました!
古川
ということで、ミツエーリンクスでは、スマートなコミュニケーションをデザインしたいUIデザイナー、UI開発者を募集しています。採用サイトではオンライン説明会やオンライン面接なども行っていますので、ぜひチェックしてみてください。
またこのPodcastはApple Podcast、 Google Podcast、Spotify、YouTubeで配信をしていますので、お好みのプラットフォームでフォローいただけると、最新のエピソードをすぐに視聴できます!こちらもぜひご活用ください。  そして最後に「#ミツエーテックラジオ」でご意見、ご感想、こんなこと話してほしいというリクエストなどお待ちをしております。
それでは今日はこの辺で!ありがとうございましたー!
ありがとうございました!