RPA Blogをスタートします

株式会社ミツエーBPOコンサル 取締役 山下

2018年2月21日に「Webサイト運用RPA導入支援サービス」がリリースされてから約5か月が経過しました。 サービスを提供するチームも今は3人に増え、RPAのソフトウエアがインストールされたPCは7台にまで増えました。 ご依頼いただく案件数も順調に増え、RPAのニーズの高さや応用範囲の広さを実感する毎日です。 本ブログでは、RPAに関するTIPSやナレッジ、事例を紹介したり、RPAやRPAの周辺技術に関する日本や世界の動きなど幅広くご紹介させていただければと思います。

本日は第一回目ということで、我々がRPAを導入した簡単な経緯と、「自動化ってRPAでやる必要あるのか」というよく聞かれる質問についての私なりの見解を述べようと思います。

RPAに関して私が情報収集を開始したのは2017年7月ごろで、今から約1年前、サービスリリースの約8か月前です。金融機関を中心としたRPA先行企業の事例が次々と世の中に出てきたころだったと思います。会社の生産性向上のミッションを担っていた私は、直感的に自分たちの業務に適用できると思いました。少なくともコーポレート部門の事務業務は事例に近いので確実にRPA化ができますし、Webサイトの構築や運用の業務でも雑多な事務作業や繰り返し業務はあるので、十分効果が出るだろうと思いました。

ただ、制作のスタッフに相談してみたところ、好意的な意見も多くありましたが、自動化は大切でもRPAである必要があるのか、どのような業務に適用できるのか具体的なイメージがつかないなど否定的な意見もありました。でもこのようなケースでは、実際にやってみせて、皆にイメージを膨らませてもらうしかないので、トライファーストで前進しました。

ツールの選定では、3製品ほど試用版を触りました。各製品ともにストロングポイントはありましたが最終的にUiPathを選びました。UiPathはグローバルで導入事例が豊富であること、対象のアプリケーションに制限がなく、業務アプリケーションであっても対応できること、スモールスタートできかつスケールしやすいことなどが選定のポイントでした。あと、JavaScriptのスクリプトを直接実行できるのも、Web開発の技術者がUiPathを活用するうえではとても便利でした。 UiPathを使い、いろいろとロボットが動き始めると、制作現場からのアイディアや相談もどんどん増えてきて、今は良いサイクルになってきているなと感じます。

そして「自動化はRPAである必要性があるのか」についてですが、まず前提として、RPAはソフトウェアベンダーの売り文句で謳っているようにノンプログラミングで扱えるほど簡単ではありません。 それでも、プログラミングを覚えるよりも相当早く同じことができるようになると実感しています。またRPAソフトウェアの操作を覚えることでプログラミングへの理解が進み、プログラムへの苦手意識をなくす効果や、プログラム開発の面白さを体感できるといった副次的な効果があると感じています。 今後はRPAを入り口としてプログラム開発の道へ進む人が増えていくのではないでしょうか。

少し脱線しましたが、自動化はRPAでやる必然性はないと私は思っています。RPAはあくまでも自動化や生産性向上のための一つの手段です。我々も、実際にRPA化したいという業務をヒアリングして、そのニーズを達成する手段がRPAを使う必要がなければ使いません。具体的にはエクセルのマクロやVBA、JavaScriptを選択することもあります。

しかし、自動化をRPAでやる大きなメリットは、スキル習得の技術的な障壁の低さです。生産性向上を会社全体の取り組みとして展開したい場合は、技術習得の難易度が高く、属人的になりがちな技術は避けるべきでしょう。優秀な個人が便利なツールを開発してくれて大いに助かったが、その方が退職や異動になったときにメンテナンス不能に陥り混乱を生じたというケースは多くの組織で経験があると思います。技術的障壁の低いRPAはそういったリスクが小さいと考えています。

なので結論としては、「自動化はRPAで行う必然性はないが、RPAは技術的な障壁が低く、広く展開するには有効」というのが私の見解です。