「UXデザインと効果検証の実践方法」セミナーの実施レポート

UXエバンジェリスト 金山

2017年11月17日(金)の午後、西新宿の当社オフィスで「UXデザインと効果検証の実践方法」のセミナーを開催しました。本セミナーの講師は当社UX本部執行役員の潮田が担当し、約30名の方にご参加いただきました。

セミナーの様子

セミナーでは、Webサイトにおいて「UXデザイン」と「効果検証の指標」をどのように適用し、Web運用における継続的な改善活動に落とし込んでいくべきかについて、解決手段となるサービスである「UXグロースハック」に関する説明をベースに、具体的な事例を交えながらわかりやすく解説しました。本記事では、アンケートのコメントを引用しながら、セミナーで話された要点をご紹介します。

「UXグロースハック」サービスの概要

UXグロースハックの説明

「UXグロースハック」は、WebのUXデザインにグロースハックの考えを取り入れ、「優れたユーザー体験の実現」と「継続的な改善活動」を支援するサービスです。セミナーでは、UIとUXの違いやUX向上のためのプロセスについて、初めて耳にされる方でもわかるように丁寧な説明がありました。

内容も説明もとても分かりやすかったです。

UIとあまり区別がついていなかったので具体的な資料の説明からわかりやすく理解できた。

そのうえで、WebサイトのUXデザインにおける課題を3つあげ、UXグロースハックにより解決が図れることを示しました。

  1. デザインフェーズのコンセプト・検証はあくまで仮説に過ぎない ⇒ 実装後もUXのコンセプト・仮説を検証し続ける必要がある
  2. UXデザインによる効果を検証しにくい ⇒ 「中間指標」をモニタリングすることで、UXに関する一定の仮説検証は可能
  3. 実装後、ローンチ後のPDCAが行き詰まりやすい ⇒ 「仮説」と「検証データ」をセットで考えていくことが重要

UXグロースハックの基本的な考え方をお話しした後、計画フェーズと運用フェーズに分けて、「仮説検証」と「改善」の具体的な実践方法を解説しました。

計画フェーズ

計画フェーズの説明

計画フェーズでは、体験シナリオと指標を策定します。具体例としてレンタカーのWebサイトをとりあげ、売上に関わるビジネス要件と利用者のニーズを表すユーザー要件を満たすためのUXデザインのやり方が示されました。そしてそれらの仮説を検証するために、以下の3つを実施することをあげました。

  1. 実装後の測定のことを事前に考慮する
  2. UXデザインとアクセス解析の中間に位置する解析指標を設定する
  3. 「体験の仮説」を検証/支持しうるものを中間指標として設定しておく

どのように計画するかについて、とりあげたレンタカーのWebサイトでの指標設定例を示し、具体的に解説しました。

「なぜ計画フェーズで考えておく必要があるのか?」納得です。

UXの戦略レベルの考えと戦術レベルの考えを分けることができた。

レンタカーの例があり参考になりました。

運用フェーズ

運用フェーズの説明

運用フェーズでは、指標のモニタリングとデザインの改善を行います。レンタカーのWebサイトの例では、具体的な施策に対して出てきた検証データを、どのように分析して改善していけばよいのかが示されました。悪い結果が出たとしても、その理由を分析することが必要で、ナレッジを蓄積することの重要性が述べられました。

サイトのUI改善を担当しているのですが、PDCAのまわし方がとても参考になりました。

今までは悪い結果が出るとそこで終わってしまっていたのですが、なぜ悪いのかを分析して、次につなげる必要性を感じました。

PDCAを粘り強く回していかなければいけないとわかりました。

運用フェーズでのPDCAに役立つ、具体的な事例が良かったです。

UXデザインの効果検証も具体例を使いわかりやすかった。

まとめ

UXデザインと効果検証の実践方法についてお話ししたセミナーに対し、業務への適用を検討するためにご参加された方も多く、アンケートの「御社の業務に役立ちそうですか?」との質問には、80%以上の方から肯定的な回答をいただきました。以下のコメントから、現場のニーズに沿った内容だったことがうかがい知れます。

望んだ内容が聞けて満足

前回のBlog記事でもご紹介したように、UXデザインと定量データ分析を組み合わせる取り組みがトレンドになってきています。個々のビジネス領域において、いち早くナレッジを蓄積して成果をあげ続けられるやり方を身に着けることが急務ではないでしょうか。