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磯野家に“Echo”が来る日

2018年4月10日

システム本部 第二部 マネージャー
榛葉 裕幸

年度はじめの日曜日、国民的アニメのスポンサーが交代し、新しい電化製品のコマーシャルが流れました。そこに、次代の表徴をみた方もいたのではないでしょうか。

新しい電化製品とは「Amazon Echo※1」です。クラウドベースの音声サービス「Amazon Alexa※2」が搭載され、話しかけると、音声に反応して照明を点けたり消したり、音楽を流したり、今日の天気やニュースを教えてくれたりもするスマートスピーカーです。最近の調査によると、米国では、このスマートスピーカーを 成人の約2割 が所有し、Echoがデバイスシェア7割 を占めるといいます。

3月30日から、Amazon.co.jpはAmazon Echoの一般販売を開始しました。今後、日本国内においても、スマートスピーカーは新しいモノ好きだけでなく”磯野さん家”に象徴されるような一般層にも広く普及していくと予想されます。

ここでは、企業と消費者のコミュニケーションデザインにおいて、重要なポイントを三つお伝えしたいと思います。

第一に、音声インターフェース「Voice User Interface(VUI)」という消費者との新たなコミュニケーションチャネル(顧客接点)が出現した、ということです。これまでデジタルにおける顧客接点といえば、自社WebサイトやアプリにSNSといった画面ベースのインターフェース(Graphical User Interface、GUI)が中心でした。しかしこれからは、家の中に永続的な位置を占める(であろう) Echo のような音声インターフェース(VUI)を備えたデバイスも、重要な顧客接点になってくるということです。

第二に、Alexaのような高度な音声人工知能(AI)がクラウドを通じて利用できることです。つまり、企業は、音声認識や自然言語処理などの専門知識を持たずとも、Alexaと自社が保有するデータやサービスを連携させることで、音声対話による新しいコミュニケーションチャネルを創出できるのです。ただし、そのためには、消費者とのコミュニケーションに資する有益なコンテンツデータや、Alexaと自社のサービスを早く容易にそして安全に連携・展開できる仕組みの整備がより重要になってきます。

第三に、音声インターフェース(VUI)の最適な使い方や利用シーンについては、まだ誰も多くを知らない、ということです。実際に、Amazon社がEchoを日本市場に投入するにおいて、4か月間の招待制を経て一般販売を開始したのは、日本人の発話特性を把握し、より自然な会話に対応できるようAlexaを学習させるために助走期間を必要したからでしょう。音声インターフェースを通じた消費者とのコミュニケーションは、まだはじまったばかりです。このような文化が定着するかも予断を許しません。発展途上の導入最初期であるいま、企業がすべきは、試行錯誤を通じた「探索」と「学習」という次代への準備でしょう。こうした新しいテクノロジー(情報技術)を活用した探索と学習には、PoC(Proof of Concept)プロジェクトが有効といわれます。

期せずして、Amazon Echo の一般販売の発表日と同じ3月29日に、当社は、新サービス「音声AIチャネル創出プログラム for Amazon Echo」の提供を開始しました。

本プログラムは、クラウドベースの音声サービス「Amazon Alexa」と、企業さまが保有する「コンテンツ資産(データ)」をAPI化してつなげることで、スマートスピーカーを利用した、企業とそのお客さまとの音声対話によるタッチポイント「Tech-Touch(テックタッチ)」の創出を、企業さまと「共」に「創」る、共創プログラムです。当社は、AWS(Amazon Web Services、アマゾン ウェブ サービス)が提供するクラウドサービスを活用した、各種ITソリューションの提供を通じて、企業さまのPoCプロジェクトを支援します。

きょうび、デジタルシフトが進展するなか、B2B、B2C、業種、業態を問わず「デジタル」が重要な顧客接点となっています。これは、テクノロジーの力、すなわちICT(Information and Communication Technology)とソフトウェアエンジニアリングによって、新たなタッチポイント「Tech-Touch(テックタッチ)」を創造する構想力と実行力こそが、いま企業に求められていると考えています。

当社の経営理念は「Smart Communication Design Company」です。これを私の部門のビジネスドメインに即して解釈するならば、まさにICTとソフトウェアエンジニアリングの力で、企業さまとそのお客さまとの顧客接点(テックタッチ)を創造し改善すること。本プログラムの提供は、当社の経営理念のひとつの実践でもあります。

磯野さん家の面々とお茶の間で戯れるアレクサ。そんな日が来るのはそう遠くないのではないでしょうか。磯野家に Echo がやって来るその日に備えて、今のうちから準備したいとお考えの企業さまと共に、音声対話による新しいユーザー体験(Voice Experiences)の創出を一緒に推進してまいりたいと願います。