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VUI時代のコミュニケーションとは

2019年2月8日

第一事業部 設計チーム UI開発者
加藤 健志

私は今2台のスマートスピーカーと暮らしています。帰宅したときに「Alexa、ただいま」と言うと、「おかえりなさい」という言葉と共に部屋の電気を点け、その日のニュースを聞かせてくれます。寝室では「Ok, Google、おやすみ」と言うと「おやすみなさい」と言いながら電気とテレビを消して、リラックスできる音楽を流してくれます。我が家にスマートスピーカーが来てから生活の仕方が少しずつ変化してきています(決して寂しくはありません)。

多くの方々は「話題にはなってはいるけれど日本でも普及するのだろうか…」と気になっているかもしれません。確かに、デロイト トーマツ コンサルティングによる世界モバイル利用動向調査2018によれば日本国内の世帯普及率はまだ3%に留まっており、voicebot.aiのデータを見ると、Alexaスキルの数はアメリカの10分の1にも達していません。そこで本コラムではVUIが私たちの生活に定着するだろうポイントと、関連してどのようなアプリケーションが増えていくのかを予想してみたいと思います。

ユーザー層の広さ

パソコンやスマートフォンを使いこなすには文字を「書く」「読む」技術が必要です。その技術の両方は教育の過程で長い時間をかけて学びますが、大人でさえ完璧に扱えることはありません。一方音声は、私たち人間が生まれた瞬間に産声として使用するメディアです。誰かに学ぶものではなくいろいろな環境でいろいろな人と過ごすことで自然と身についていきます。つまり、その音声をインターフェースにしたデバイスは誰もが自然に使用でき、そのユーザー層はWebサイトやネイティブアプリよりも広くなります。

特にお子様がいるご家庭では、子供の遊び相手としても活用できます。スマートフォンの場合は端末を子供が操作している間何をしているか分からないと不安な方が多いと思いますが、スマートスピーカーであれば、お母さんは料理をしながらであっても子供が何をしているのかを把握することができます。アメリカではKids Courtという子供に疑似的な裁判を体験させることができるAlexaスキルが公開されています。子供達が検察官、証人、被告人になりきり、裁判官であるAlexaが最終的な判決を下すというアプリで、ユーモアを交えつつ楽しく道徳を学ぶことができるため親子から非常に人気があります。

教育の変化

現在日本では教育改革が行われています。2020年以降、小・中・高校の教育は大きく変わり「主体的・対話的な深い学び」を中心とした授業が多く実施されるようになります(参考:新しい学習指導要領の考え方 - 中央教育審議会における議論から改定そして実施へ)。

対話的な教育を受ける子供たちにとって、対話をインターフェースとしたスマートスピーカーはとてもなじみやすいデバイスになるのではないでしょうか。コミュニケーションをベースとして成長していく子供たちは「機械に話しかけるのが恥ずかしい」という日本人特有の大きなハードルを取り除く一つのきっかけになるかもしれません。

Alexaスキルの一種である「フラッシュブリーフィングスキル」はRSSフィードさえ用意すれば公開できる手軽なスキルです。例えば学校のクラスなど、比較的小さなコミュニティでもフィードを提供することで、さまざまな情報を簡単に家庭に届けることができます。情報をより頻繁に発信することで学校と家庭とのギャップを埋めることもできるのではないでしょうか。

買い物の変化

現在、日本ではキャッシュレス化が進んでおり、様々なお店にスマートフォン決済用の端末が置かれているのを見かけるようになりました。これまで財布の中にしまっていた現金がデジタル化し、あたかもスマホの中に現金が入っているかのように買い物をすることができます。

すでにAmazon Alexa端末では音声のみでも買い物を行うことができます。特に日用品の買い物は非常に便利で、料理をしている最中に調味料が切れてしまった時や、お風呂に入っていてシャンプーがなくなった時など、すぐにスマートスピーカーで購入することができます。お金を払うことすらも意識させない、キャッシュレスからさらに一歩進んだユーザー体験だと思います。

Amazon Payを使用すれば、Amazonアカウントにひもづいている情報を使用することでユーザーによる住所登録などのステップが省略できるため、手軽に販売チャネルを増やすことができます。日本赤十字社のスキルでは、スマートスピーカーから寄付できるなど活用方法はショッピングだけではありません。記事・動画投稿サイトでコンテンツごとに課金するサービスがありますが、スマートスピーカーでも同様に、課金すれば続きを聴くことができるコンテンを提供するサービスも考えられます。

おわりに

いくつかの視点からVUIの未来についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。パソコンやスマートフォンでもできることばかり…と思われた方も多いかもしれません。まさにその通りで、スマートスピーカーはなにか新しいことができるようになるのではなく、すでにあるものの使い勝手や使いやすさを利用シーンに合わせて向上させる機能がほとんどだと思います。また、その他のデバイスとは使用する際の姿勢やデバイスとの距離が違うため、様々なデバイスと組み合わせて利用すればさらなる効果が期待できます。

この度当社は新たに「スマートスピーカー(VUI)対応アプリ開発」サービスをリリースしました。本サービスではGoogle HomeやAmazon Echoを代表とするスマートスピーカー用アプリケーションの開発を企画立案からリリース後の運用保守まで一貫してお任せいただけます。

冒頭でもお伝えした通り、日本でのVUI市場はまだまだ未成熟です。今回ご紹介したようなポイントを掴みつつ、いち早くコンテンツを公開すればさきがけとなるチャンスも十分にあります。当社では、お客様のコンテンツ資産をスマートスピーカーで活用するための「音声AIチャネル創出プログラム for Amazon Echo」サービスもご提供しています。この機会にぜひ当社のサービスをご活用いただければと思います。