既成概念にとらわれず、Instagramをさらに活用する
アメリカでは、成人の50%がInstagramを日常的に利用しています。企業が戦略的にストーリーを発信する上で、不可欠なチャネルに進化したと言えるでしょう。
(この記事は、 Bowen Craggs社のWebサイト「Our Thinking」において2025年5月21日に公開された記事「Beyond the grid: unlocking Instagram's potential」の日本語訳です)
以前、Bowen Craggsは、主要なSNS「ビッグ5」のひとつとしてYouTubeを取り上げましたが、Instagramもそれに匹敵するほど重要なSNSです。実際、アメリカの18〜29歳の若者が、YouTubeに次いで2番目に利用しているSNSが、Instagramとなっています。

アメリカのシンクタンクPew研究所が調べたInstagramの使用概況
これまで企業にとってInstagramは、高級店のショーウィンドウのような存在でした。企業の華やかな出来事をアピールしたり、洗練した美しい写真や動画を陳列したりする場所として、利用している企業が多かったのです。悪く言えば、実質的な効果よりも、ただ「見栄えを良くするため」に更新する、ハイライト集と化していることもありました。
しかし、Instagramにはそれ以上の可能性があります。特に企業のコミュニケーションという視点から見ると、計り知れない潜在能力を秘めています。Instagramは企業のブランドイメージを形作り、閲覧者と直接交流し、「本物のストーリー」をリアルタイムで発信できる、ダイナミックなプラットフォームです。
なぜInstagramは、重要なのか?
- 若い世代と出会えるチャネルだから:月間アクティブユーザーが20億人を超えるInstagramは、幅広く熱心な閲覧者、特にミレニアル世代やZ世代といった若い世代にリーチするための強力な手段のひとつです。全世界のInstagramユーザーの約60%が35歳未満であることからもわかるように、若い世代に大きく偏っています。つまりそれは、彼らと積極的に交流できる、絶好の機会が提供されているということです。
- 視覚的なストーリー発信に適しているから:Instagramは、短くても強いインパクトを与えるストーリーの発信に適しています。リール動画やストーリーズ、複数の写真を組み合わせたカルーセルなど、キャンバスに描くように企業文化や価値観、そこで働く人々を魅力的に表現できます。その表現力は、加工した広報写真より優れていると言えるでしょう。
- 戦略的な企業ブランディングが可能なチャネルだから:Instagramは、もはや単なるマーケティングツールではありません。企業のコミュニケーション担当者にとって、伝えたいメッセージをコントロールし、リアルタイムで閲覧者に反応し、人間味あふれるリーダーシップを発揮できる場所です。
- 一方的な発信ではなく双方向のエンゲージメントを重視しているから:コメント機能やダイレクトメッセージ、ストーリーズの投票、インタラクティブなスタンプを使って、ステークホルダーと直接つながりを作れます。一方的にコンテンツを発信するだけではなく、積極的に対話できるメディアです。
Instagramのより良い投稿とは?
企業のInstagram運用で重要なことは、コンテンツに自社のトーンや価値観を反映し、視覚的に統一するという基本を守ることです。プロフィール画面ではフィードを計画的に見せることもできますが、あまり作り込みすぎないようにしましょう。ブランドのアイデンティティは維持しつつも、創造性を犠牲にしてはいけません。
リール動画は「短く・印象的で・トレンドを押さえる」ことが、より多くの人々にリーチするためのカギとなります。また、実際の社員が登場したり、普段見られない舞台の裏側を見せたりと、ありのままのストーリーを発信するコンテンツは、自然と信頼やエンゲージメントを高めます。
投稿のキャプションは簡潔で、親しみやすくしつつ、専門用語は避けましょう。長い説明文を読んでくれる閲覧者は少なく、代わりに簡潔な動画で情報を消化しようと考えるはずです。
投稿頻度も重要ですが、それ以上に質が重要です。一般的なストック画像ではなく、オリジナルの画像や動画を優先的に使って、閲覧者にメッセージを届けましょう。そして、何よりも大切なのは「エンゲージメント」です。コメントにはできるだけ返信し、ストーリーズの投票機能やスタンプを活用して、単に「いいね!」をもらうだけではなく、会話が生まれるようなコンテンツを作成してください。
Instagram活用で成功している企業は?

@salesforce は、生き生きとした従業員の写真など、人を中心としたアプローチでInstagramを展開しています
- アメリカのIT大手Salesforceは、積極的に従業員を前面に出し、彼らの目線でストーリーを語らせています。顧客の成功事例もリール動画で紹介していて、高い信頼感につながっています。人を中心としたInstagramのアプローチは、企業の魅力を効果的に伝えていると言えるでしょう。
- アメリカの民泊紹介サービスAirbnbは、CEOが自ら登場することで、企業トップの親しみやすい一面のアピールに成功しています。最近おこなわれた、新サービスやアプリに関する夏の発表では、CEOの印象的な言葉を、キャッチーでわかりやすい見出しとともにリール動画で発信しました。経営層と閲覧者との距離を縮める、または、企業内で最も影響力のある人物が閲覧者と直接つながる、とても効果的な方法です。
- イギリスの日用品大手UnileverのInstagramは、サステナビリティと社会的インパクトに対する姿勢を積極的に伝えています。リアルタイムの業績データは、リール動画でわかりやすくアニメ化していて、具体的なデータ分析とともに、グローバルな事業活動への注目を集めています。客観的な事実に基づいて、メッセージの発信を効果的にコントロールしている好例です。
- アメリカの製薬大手AbbVieは、リール動画に添える説明文を、従来の長文から短文に変更する取り組みを始めました。説明文の要点を絞り、簡潔にまとめることで、発信するコンテンツそのものに、閲覧者の関心を集中させています。