サポート言語で差が開きつつある旅行業界と観光業界のWebサイト
(この記事は、2017年7月5日に公開された記事「The growing language gap between travel and tourism websites」の日本語訳です。)
![観光客向けと思しきエクアドルの看板](https://www.mitsue.co.jp/knowledge/blog/global_by_design/img/20170706_01.jpg)
旅行業界では長年にわたり、Webサイトのグローバル対応が他の業界より活発に推進されてきました。サポート言語数でみるとBooking.comが41、Uberは36、KLMが32言語といった具合です。
その一方で、旅行客が訪問する先である観光地のWebサイト、観光サイトに目を向けてみると、それほどグローバル対応は進んでいません。旅行業界で調査したサイトの平均サポート言語数が30言語だったのに対し、観光業界で調査したWebサイトの上位10サイトの平均はたった12言語です。
![旅行業界と観光業界のWebサイトにおける平均サポート言語数を比較したグラフ。前者が30に対し後者が12。](https://www.mitsue.co.jp/knowledge/blog/global_by_design/img/20170706_02.jpg)
調査したグローバル観光サイトでナンバーワンに輝いたドイツは、サポート言語数は24でこの業界を牽引しています。しかし、大半のサイトでサポート言語数はそれよりずっと少なく、トップテンにランクインしたサイトも例外ではありません。
グローバル観光サイトのトップテン
- ドイツ
- フランス
- スペイン
- パリ
- スコットランド
- シドニー
- ドバイ
- オランダ
- シンガポール
- 西オーストラリア州
言語は、ローカライズされたWebサイトの存在に対する最も分かりやすい目印ではありますが、それは観光サイトが改善を必要としている事項の一つに過ぎません。新たに作成したレポート「目的地はマーケティング(原題:Destination: Marketing)」では、観光サイトで使われている多種多様なナビゲーション戦略を丁寧に文書化し、また全ての観光サイトが採用すべきベストプラクティスを提供しています。また、同レポートはローカル向けコンテンツ、ソーシャルメディア、モバイルユーザーのサポートについても(弱点についても)取り扱っています。
観光サイトを運営している組織は昨今、必ずしも財政的に潤っているわけではないことは、承知しています。この記事を書いているちょうど今、Brand USAは予算獲得のために奮闘中です。それでもなお、観光サイトを多言語対応させることの価値を主張すべき時だと、私は思います。
考えてみてください。旅行や観光の業界はグローバル経済より速いペースで成長しており、また2017年には地球上の業務の9分の1を占めると見積もられているのです。観光地のサイトは旅行者を惹きつける上で重要な役割を果たしますが、その半数以上は英語を話しません。将来の多言語対応に投資する国や地域、都市はきっとその恩恵を授かり、上位にランクインすることでしょう。
![レポート「目的地はマーケティング(原題:Destination: Marketing)」表紙](https://www.mitsue.co.jp/knowledge/blog/global_by_design/img/20170706_03.png)
より詳しくは、Destination: Marketing - Global Leaders and Best Practices in Tourism Websitesのページをご覧ください。