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Mary Meeker氏のインターネット・トレンドのスライドからご紹介

(この記事は、2019年6月18日に公開された記事「Selected slides from Mary Meeker's 2019 Internet trends report」の日本語訳です。)

Mary Meeker氏の作成するインターネット・トレンドの年次調査報告書(現在はBond Capitalが公開)を眺めるのを、私は例年楽しみにしています。今年のスライドからいくつか、私の目を引いたものをご紹介します。

グローバルにおけるインターネットユーザーから始めましょう。ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカでは50%をはるかに超えるまで普及した一方、アジアは(この先の大幅な増加が見込まれるものの)ちょうど50%ほどの普及率です。アフリカは、普及し始めたばかりに映ります。

地域ごとのインターネットユーザーの利用率をあらわした棒グラフ。ヨーロッパは78%、北米が89%、ラテンアメリカおよびカリブが62%なのに対し、アジアパシフィックは48%、アフリカおよび中東が32%と低い。

国ごとに見れば、中国とインドがインターネットユーザー数の増加傾向において最も顕著です。しかし西欧企業からすると、インドと違って中国は問題を引き起こしており、そうであるがゆえにAmazonのような企業はインドに向けローカライゼーションへの投資を大幅に増してきました。長きにわたり私がWebグローバリゼーション・レポート・カードや過去の記事「英語さえサポートすればインドで成功できるとお考えなら、再考を」で強調してきたことですが、もはやインドは英語だけで通用する市場ではありません。目下、言語サポートに対する顕著な投資が(ようやく、ですが)認められます。

国ごとのインターネットユーザー数をあらわした棒グラフ。1位は中国、2位はインドで、アメリカは3位。

私はLos Angeles Timesに寄稿したなかで、次のように書きました:

グローバライゼーションの持つ力はシルクロード以来、私たちと共にありました。

しかし、私たちは以前より孤立していました。インターネットが登場するより昔、国から離れようと思えば、物理的に出国するほかありませんでした。しかし今や、海を渡らなければ見聞きすることのなかった言語に出くわすのに、たった1クリックで事足ります。

これは恐ろしいことかもしれません。しかし、アメリカの大手企業なら理解しているように、これは不可逆変化です。グローバライゼーションは厄介かもしれませんが、敵ではないでしょう。無知より恐れるべき対象は多くあります。

グローバル企業は、自身の製品で新たにサポート言語を追加することで、世界のより多くの地域に自身を融合させることができます。その考えは、正しいと思います。インターネットがデバイスを繋げても、人々を繋げるのは言語です。

これは以下のグラフにあらわれています。

1960年から2017年にかけての、グローバルなGDPに占める国をまたいでの通商の割合。2017年の29%に至るまで概ね右肩上がりの推移を示している。

Meeker氏はまた、移民政策がアメリカの成功にとってどれだけ重要かを明らかにしましたが、現政権のもとでそれが損なわれているのは事実です。うまくいけば、この状況は次の大統領選挙で変わるでしょう。

アメリカ国内において技術分野のトップ25社の創業者の顔ぶれをまとめた表。移民の第一世代もしくはその子供が多い。

スライドには、写真共有アプリや画像全般がどれほどインターネットを支配するようになったかを説くページも多く含まれています。しかし、以下に示すページには、疑問を抱きました。

Instagramの共同創設者、Kevin Systrom氏の言葉を引用したスライド。「People have always been visual - our brains are wired for images. Writing was a hack, a detour.」という台詞がある。

読み手でも書き手でもある立場として、何が私の目を引いたかお分かりでしょう。

書くことはハックでした

過去形であっても、疑いの目を向けざるを得ないことに変わりありません!

どうやら、テキストを介したコミュニケーションは、私たちが進化してきたおかげで、ちょっとばかり厄介な局面を迎えているようです(訳注:厄介な局面とは、テキストを軽視する風潮のこと)。ラスコー洞窟の壁画(他のページで参照されています)が、仮に人類のコミュニケーション史における頂点であったなら、Instagramのおかげで私たちはそこに戻りつつあるということでしょう。

技術界のリーダーたちが、あるものが他のものに取って代わられると語るたび、私は疑わしく思います。既に電子メールは、他の何かに置き換わるはずだったのではないですか? 何百万という人々が(一千年以上にわたって)読み続けている、昔ながらの印刷された紙から成る本はどうでしょう?

かつて私はコピーライターだった時期があり、当時は広告代理店がアーティストやライターと共同で広告を開発していたものですが、彼らは画像とテキストが相互補完の関係にあることをよく理解していました。そしてInstagramすら、その成功は画像とテキストのバランスの上に成り立っています。ハッシュタグはおそらく、このソーシャルメディアの時代において、テキストベースのコミュニケーションにおける最も重要な革新でしょう。

このページに書かれるべき言葉は、「人々は常にコミュニケーションをとってきました。言語的ないし文化的な壁を乗り越えるのに、画像は素晴らしく役立つことが多く、私たちはその実現のためのプラットフォームを提供しています」だったのではないでしょうか。ただし、これは平凡でつまらなく聞こえるでしょう。

でなければ、私の目が近視になりすぎたという別の理由で、向こう数カ月にわたりBlog記事に画像ばかりが並ぶことになるかもしれません。

つまらない冗談はさておき、Mary Meeker氏のスライドは一読の価値があります。

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