翻訳品質において縮まるAIと人間の差
(この記事は、2025年5月9日に公開された記事「The translation delta between AI and humans is shrinking」の日本語訳です。)

先日、Localise社の主催する、AIとローカライゼーションに関するウェビナーに参加しました。とても興味深い内容でしたので、興味があればぜひご視聴ください。
同ウェビナーより、いくつか重要なスライドを共有したいと思います。
まず、AI翻訳の81%は、編集の必要なく人間のレビュアーによって承認されているそうです。

AI翻訳が、ユーザーに直接提供されるようになるまで何年もかかると考えている人々は、今がまさにその時なのだと知ってください。ないし、その変化はすでに過去のものであると。
もちろん、AIが質の高いアウトプットを生成する前提として、文脈がすべてであり、質の高いインプットが必要であることは承知しています。しかし、AIがこれまで翻訳されてこなかった膨大な量のコンテンツを解き放つ、大きな可能性を持っていることを示す1つの兆候として、上記の数字に異論を唱えるのは難しいでしょう。
同様に興味深いのが、次のスライドです。一般的に、人間による翻訳は、ほとんど編集を必要としないと考えられています。言い換えると、もし私たちが人間に頼るならば、81%にとどまることなく、もっと100%に近づけるでしょう。
しかし、次のスライドをご覧ください。

人間の翻訳者と人間のレビュアーの組み合わせであっても、編集なしに承認される翻訳は90%でしかありません。つまり、人間とAIの差は9%ほどということになります。
となると、人間の翻訳者は今後どうなるのでしょう?
これはバリューカーブ、価値曲線の上昇を意味します。

AIを受け入れる翻訳者の未来は明るいでしょう。AIは、人間の翻訳者がより価値の高い翻訳やローカライゼーションを行えるよう、煩雑な作業を引き受ける役割を担うことになります。
1つ前の記事で述べたように、私たちは嵐の前の静けさの中にいます。嵐とは、AIのことです。