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UX Blog

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イベント参加報告『次世代UI(VUI & CUI)設計思想の基本』

UXエバンジェリスト 金山

2月14日の夜、銀座松竹スクエアで開催されたイベント『次世代UI(VUI & CUI)設計思想の基本』に参加してきました。ホットなテーマのためか、参加枠も募集開始時の倍に増え、会場を提供されたドワンゴ社の方も含めると100名程度の方が参加されていました。

イベント会場の写真イベント会場の様子

前半の座学では、講師の菊池聡氏(UX DAYS TOKYO WDE代表)からVUI(Voice User Interface)とCUI(Conversational User Interface)について、基本的な知識から最新の話題などが紹介されました。 後半のワークショップでは、VUI、CUIの設計をグループで行い、設計時のノウハウや注意点などについてアドバイスをいただきながら進めることができました。

アジェンダの写真イベントのアジェンダ

本記事では、聴講して学んだことやワークショップの様子を共有させていただきます。

前半:座学

最初に、話す速度はタイピング速度の約5倍とのデータを基に、コミュニケーション手段として音声を使う優位性が示されました。自分自身、仕事で急いでいる時やニュアンスを伝えたい時は電話して伝えることが多いので納得する部分はあります。そして、より質の高いコミュニケーションのためには「会話の設計」がとても重要だと感じました。音声によるコミュニケーションをより実用的にするために、CUI botsやNLP(Neuro-Linguistic Programming)なども紹介されました。

次に、JTBD(Jobs To Be Done)の事例としてミルクシェイクマーケティングの話が紹介されました。マーケティング的アプローチで、どんなミルクシェイクが欲しいか調査しただけでは分からなかったことが、現場観察によりミルクシェイクを購入する理由(長い車通勤の間に片手で手間なく飲める、一気に飲めないので暇つぶしになる、腹持ちが良いなど)が分かったそうです。この事例から、会話を設計するためは、(ユーザーの)intent(意図)を理解することが重要であると示されました。

後半:ワークショップ

座学の後、5、6名のグループに分かれて「シェフロボットのCUI設計」に取り組みました。

グループワークの写真グループワークの様子
課題を示したスライド課題の状況設定
実施するタスクを示したスライド実施するタスク

自分が参加したグループではまず「BBQと言えば肉」との意見で一致しました。人によって肉の焼き加減の好みが異なる、焼く前の下準備(どれくらいの大きさに切っておくか)も大事といったことなど、BBQで気になることを付箋紙(スティッキーノート)に書き出して行き、ロボットに何を助けてもらいたいのか、コンセプトを固めて行きました。

グループワークの作業風景の写真BBQで気になることの書き出し作業の様子

コンセプト作成の終盤に分かったことですが、「シェフロボットの役割」と「外観デザイン」に対して、皆それぞれ違うイメージを持っていました。

最終的に、R2D2風のロボットに決めたことで、ロボットの役割と会話の流れが明確になり、ワーク後半の会話の設計がスムーズに進みました。講師の菊池氏からも「思い込みをなくすために、考えたこと(仮説)を共有したほうがよい」とアドバイスがありました。

R2D2風ロボットのイラストR2D2風のシェフロボット(イメージ図)

ワークの前半でコンセプトを固めた後、後半で会話の設計を行いました。菊池氏からは、「スタートポイントがユーザーに委ねられる」と話がありましたが、敢えて、ロボット側から「今日は何を焼きますか?」と尋ねてくるアグレッシブな会話で始めました。会話の設計では、ロボットの代わりにモノ(今回はバッグ)を置いて、ロボットと会話している場面を想像しながら検討して行きました。

会話を書き出した付箋紙を並べた写真書き出した会話

会話の設計を終えたところで、設計した会話を実演するテストを行いました。ロボット役は、ロボットが話しているような単調な話し方を演じ、利用者役との会話を進めて行きました。ロボット役は設計した通りに会話を進めようとしますが、利用者役が用意された選択肢以外を指定する場面がありました。この場合、「選択肢の数を最初から示す」「Fold pathを用意する(できない時、わざと戻す)」などの対策があると菊池氏からアドバイスがありました。このような会話テストを30~40回と繰り返すことで、洗練された会話ができてくるとのことです。時間の都合で、2グループ程度の実演でしたが、プロトタイプでテストするところまで経験したことで、会話が重要なVUI、CUIの設計の入り口に立てた感じがしました。

参考情報

海外の専門家によるワークショップは、別途企画されているとのことで、イベントの最後に紹介されました。

本BlogでもVUI, CUI関連の記事がありますので、ご興味がある方はご覧ください。