2016年1月26日 ITに吹く新しい風

チーフエンジニア
黄 聖實

2015年のハーバードビジネスレビューに記載された「スマート、コネクテッド製品は企業をどのように変えているか(How Smart, Connected Products Are Transforming Companies)」という記事によりますと、約50年の間に、ITは企業に2回の大きな変化を起こした、とあります。

最初は、1960年代から1970年代に注文処理や製造工程などにおいて自動化による企業の生産性を上げたことです。次は、1980年代から1990年代に現れたインターネットですが、このインターネットをきっかけに地域間の距離や限界を超えて全世界を一つのサプライチェーンにすることで、今まで行ったこともない国のものが消費できるようになったということです。

この2つの変化のおかげで企業の生産性が上がり規模は大きくなれましたが、製品自体には影響を与えられなかったと著者は語りながら、ITの3つ目の変化として、ITが製品の中に入り込んで製品自体を変化させるようになる、ということを説明しています。

今年の1月、私はラスベガスで開催された世界最大級の家電展示会CES 2016で、上の著者が説明した「製品自体の変化」を強く実感しました。今までの電子製品の主な発表テーマ(=企業のビジネスモデル)が、生産性や機械的な利便性の向上を中心としていたことに比べて、今は、情報と知能、そしてUXに基づいたインタラクティブなコミュニケーションツールとしての機能がその中心にありました。

食べ物を新鮮に保存するための冷蔵庫は、中にある食品とその生産者、その他の多様な情報を一つにつなげてユーザに必要なことを知能的に提案してくれていました。また、車は手前で起きている状況をリアルタイムで分析・判断して、事故があったら避けてくれる機能を持っていたり、体温計はあかちゃんの体温変化を感知してお母さんにあかちゃんの状態を専門家の情報を踏まえて知らせたりすることができるように変化していました。

このような変化のためには5つのIT環境(プラットフォーム、セキュリティー、ネットワーク、サービス、アプリケーション)の変化が必要だと言われています。しかし、現実的に一つの企業が全ての分野に全部対応するにはたくさんの時間と努力が必要ですし、変化が早い今のIT環境には合わない対策です。各企業が持っている特技を生かしつつ、必要なら再調整することと、足りない部分は積極的に他の企業に向けて提案しコラボレーションし続けることが良いのではないでしょうか。

私は3つ目の変化を理解することと、これに合わせた世界の動きを確かめるため、複数の関連のある国際学会とイベントに参加してきました。ここで見て体験したことと、これからもう一度進化するであろうWebについてどのように考え研究していくかについて共有するセミナーを、2月5日に開催します。IoT、M2Mの関連情報を取得したい、情報を共有したいと考えているかたはぜひ、IoT/M2M先進技術紹介&基礎用語解説セミナーにお申し込みください。